これからの小児の近視診療に向けて その3 (1343)
2025年 05月 27日

次の演題は、
『近視進行を取り巻く医療制度』 はら眼科 原信哉先生
リジュセアミニ0.025%点眼は、近視進行抑制効果が明らかになった点眼だが、対象患者は膨大な数になる。近視進行は5歳から始まり8歳ぐらいでピークとなり12-13歳まで続く。早期に発症するほど高度近視になるリスクが高いとすれば、小学校1-2年で発症するような早期発症の近視ほど治療ターゲットとすべきだろう。いずれにしても、対象患者数は膨大となり、保険診療に馴染まないようで、今回リジュセアミニ0.025%点眼液は、自由診療の対象となりました。こうなると自由診療に慣れていない私のような普通の町医者には、ハードルが高いが、小学校入学前後から小学校1-2年の間に発症する近視患者の中にハイリスクの患者さんがいるはずで、まず治療対象として念頭に置くべき。それより後の発症の近視患者でも進行速度は速いと判断される場合も治療対象とすべきだろう。

近視の有病率
- 小学1年(6歳):17.3%
- 小学2年(7歳):21.9%
- 小学3年(8歳):31.2%
- 小学4年(9歳):39.0%
- 小学5年(10歳):46.2%
- 小学6年(11歳):52.8%
- 中学1年(12歳):58.9%
- 中学2年(13歳):59.6%
- 中学3年(14歳):62.6%
だとすると、小1の20%前後が対象候補だろうか・・
自由診療
近視進行抑制治療を行うと判断した時点で、別のカルテを用意して、近視病名で行うすべての検査は自費扱いとなる。①問診、②検査・診断、③説明・同意書、そして④治療開始
こんな順番なのだろうが、まず、患者さんを見つける作業から。
- ハイリスク患者(5-6歳で近視発症している)
- 早期発症ではないが、近視進行速度が速い患者
- 近視があって治療を希望される患者
次に(その前に)検査
- 原則として、治療前、全例に調節麻痺下の屈折検査をすべきだろう。スポットビジョンスクリーナーだけで済まそうと思っていたが、ORTに戒められた^^; これから長期間の近視進行抑制治療のスタートラインなのだから、しっかり調節麻下の屈折度数を調べておくべき。
- 角膜形状解析
- 眼軸長(光学的):近視は眼軸長伸長に伴うものなので、最も重要な検査の一つとなる。
- もちろん通常の診療と同じように、細隙灯顕微鏡検査と眼底検査を行い、近視以外に疾患がないことを確認しておく。
治療を行うことになれば、『診断、治療内容、費用、治療リスク、他の治療法の説明も行い』、同意書をもらう。治療は、6歳で開始したら7-8年続くのだが、脱落するかもしれないし、料金は、毎回(3ヶ月毎)にいただくことになりそう。そして、治療開始後は、3ヶ月毎ぐらいに屈折検査・矯正視力、年に1回は眼軸長などをチェックして、近視の進行レベルを把握する。当然、近視治療中も、様々な眼疾患で受診されることはあり、それに関する検査・治療は、保険診療が可能だが、近視(屈折異常)に関する検査は自由診療に含まれるので、矯正視力とか屈折検査は、算定できない。また、眼鏡処方やコンタクトレンズ処方が必要になった場合も、自費に・・
初回の診療・検査内訳は
- 屈折検査
- 矯正視力検査
- 調節麻痺下屈折検査
- 角膜曲率半径(形状解析)
- 光学的眼軸長測定
- 細隙灯顕微鏡検査
- 眼底検査
- 1ヶ月分の薬剤料
最初だけ、1ヶ月後に受診で、その後は3ヶ月毎の受診。
- 屈折検査
- 矯正視力
- 細隙灯顕微鏡検査
- 3ヶ月分の薬剤料
※年に1度は光学的眼軸長測定と眼底検査。
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近視進行抑制治療の費用(当院での)
治療開始時点
初診時検査代(5000円)+薬剤1ヶ月分(4000円)=9000円(税込)
2回目以降
検査代(3000円)+薬剤3ヶ月分(4000円×3)=15000円(税込)
ようやく準備が整いましたので、遅ればせながら、当院でも6月から近視進行抑制治療を開始します。
治療適応があって、希望される方のみですが・・

