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第28回京阪沿線眼科勉強会 (1349)

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朝晩の涼しさに十分秋を感じるように・・

PRESERFLO Microshuntのリアルな現状 関西医大 盛秀嗣

昔、日緑研かどこかで、三島先生か、あるいは三島先生の言葉としてどなたかが話されていたのだが、レクトミーなんて、フラップを三角にしようが四角にしようが同じで、所詮濾過手術と言われていたのが耳に焼き付いている。この新しい濾過手術は、レクトミーと比べて何が違うのだろう。フラップを作らない(低侵襲・惹起乱視が少ない)、濾過量は、チューブの内径70μmを流れる量が上限を決めてくれる(低眼圧・脈絡膜剥離になりにくい)、濾過胞の場所は、チューブが設置される場所で決まるので、通常のレクトミーより後方(より安全な濾過胞)・・・だから、比較的安全だとは言っても、濾過手術なので、濾過手術特有の合併症から逃れられないらしい。若干安全サイド振れている手技だとはいえ、気をつけないと大変かもしれない。POAGだと、成績良好だが、PEや無硝子体眼の成績はバラツキが大きい。演者はチューブにナイロン糸をステントとして、しばらく置いて、術直後の低眼圧・脈絡膜剥離などを回避しているようです。

緑内障治療の最前線と今後の展開 池田華子 大阪医科薬科大学

 緑内障治療の話は、まあ一般的な話で、話題の神経細胞保護治療に関しては、以前2度ほど講演を聞いてブログにしたので、そちらを参考に


症例から学ぶ緑内障学 杉山和久 金沢大名誉教授

金沢大学の教授を退官され、悠々自適の生活を送っていると思いきや、岐阜と金沢にとどまらず、日本中で緑内障診療に従事され、飛び回っておられるようです。重鎮の貫禄のある杉山先生1984年卒と言うことは、同期&ちょっと年下か・・。自分との違いに愕然・・

今回のテーマは、①乳頭出血、②眼圧日内変動、③トラベクレクトミー

まずは、乳頭出血(DH)の話。これは、昔から、原因なのか結果なのか・・懐かしくも白熱した議論がありましたが、結局は、緑内障の進行過程(つまり網膜神経線維が減少する過程)に随伴して生じる現象と解釈されているようです。つまりDHがあるということは、緑内障が現在進行中であることを示している。DHには、わかりやすいものと、わかりにくいものがあり、専門家でも50%は見逃していると。ましてや非専門家においては、相当見逃されている可能性があるらしい。全例写真をとり、フリッカー・クロノスコピーという手技を用い、僅かなDHも見逃さない体制を整えておられるとか。また、OCTAで詳細に観察すれば、DHが繰り返されるとRadial Peripapillary CapillariesRPCs)も間引かれていくようです。我々は、DHがあると緑内障があるな・・・、DHが頻発していると、今後も進行するだろうか・・と思う程度ですが、こだわりが半端ない・・

Disk hemorrhage is a significantly negativeprognostic factor in normal-tension glaucoma.Ishida K, Yamamoto T, Sugiyama K, KitazawaY.Am J Ophthalmol. 2000 Jun;129(6):707-14.

大御所に逆らうつもりはありませんが、通常のOCTでも壊れずに長期間活躍してくれると、視神経周囲のどの部分のNFLがどれくらいの速さで減少しているのかが理解しやすいです。特に左眼の視神経乳頭下方にDHが頻発していたわけではないですが・・・(見逃しているのかもしれませんが)。

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2,眼圧日内変動

眼圧の日内変動は、生体の概日リズム(サーカディアンリズム)に従っている。体内時計の中枢は視床下部の視交叉上核に存在し,この部分が中枢時計として,全身の組織における固有の概日リズムを生み出す末梢時計の位相を調節し,全身のリズムを同期させている(らしい).さらには概日時計は時計遺伝子 (clock genes) と呼ばれる一連の遺伝子群によって構成されている.この遺伝子をノックアウトすると日内変動は消失する。眼圧日内変動は、視交叉上核の中枢時計の支配下にあるが、眼圧リスムを作り出しているのは、副腎からのステロイド(グルココルチコイド)。この日内変動への介入は、治療につながる可能性がある。

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金沢大学十全医学会雑誌 第130巻 第31091112021

緑内障と概日リズム – 眼圧日内変動のメカニズムを探る から

3,究極のトラベクレクトミー

以前講演で聴いたテノン嚢に裏打ちされた究極のレクトミー。これをやってから、術後感染ゼロが達成できそうだったのが、1例だけ出てしまった・・・と、話されていたような・・。

濾過手術で、眼圧を大きく下げることができれば、緑内障進行を抑えることができることはわかっている。ただ、濾過手術には、どうしても術後感染問題が大きく、発症してしまうと、視機能を大きく損なってしまう。また濾過胞から漏出が生じると、眼内炎発症リスクは、一気に高くなる(1.7⇒7.9%/5年)。理想は、丈夫だが、機能している濾過胞の作成。ハニカムフィルムを用いたり、ハニカムフィルムに抗線維化薬(パクリタキセルなど)を含有させる方法も試みたが、企業は儲からないと動いてくれないようで、暗礁に乗り上げたようです。最終的に、たどり着いたのは、全例濾過胞をテノン嚢で裏打ちする方法。

ただ、内皮減少だけはどうしようもない。内皮移植してもその後激減するようで、ネルテペンドセル(ビズノバ)が普及するまではどうしようもないのかも・・。


by takeuchi-ganka | 2025-09-07 13:16 | Comments(0)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka