塗抹鏡検 (1350)
2025年 09月 09日
前々からずっとやりたいとは思っていたが、何となく敷居が高くて、始められなかったのだが、白内障手術を止めて、時間的・精神的余裕ができたのと、集談会の特別講演で鈴木崇先生の話を聴いたのがきっかけとなり、すぐに安い光学顕微鏡を注文し、染色液や小物を揃えた。ディフ・クイックとグラム染色を用意したが、とりあえず、ディフ・クイック染色からスタート。
ディフ・クイック染色だけなら、プレパラートを作るのに1分もあればいいので、数分で全てが完了する。これだけの手間で、結構今まで曖昧だったものがすっきりしてくる。結膜炎がウイルス性なのか細菌性なのか、長年の臨床経験に基づいて判断する・・・といえば格好いいが、若干曖昧な部分が残るのは確かだったが、摘んだ眼脂が、好中球だらけだったら、ウイルス性はありえないし、リンパ球だらけだったら、細菌性はありえない。細胞成分が乏しかったら、結膜炎かも怪しい。
実臨床でも、教科書に乗せたいような典型的なウイルス性結膜炎とか細菌性結膜炎というのは、たまにあるのだが、これどっちなのかなあ・・・と迷うケースもしばしばだ。怪しいと思ったときに、摘んで塗抹して染めてみる。これを繰り返す事は、診断能力向上につながる・・・気がしている。
もう少し手技に慣れてきたら、角膜にも挑戦したり、染色液の種類を増やしてみようかな・・。ちょっと楽しくなってきた。




