第467回 大阪眼科集談会 その1 (1351)
2025年 09月 12日

1 ICL挿入術術後11年で慢性閉塞隅角症を発症した一例
○岡﨑智之、松下賢治、臼井審一、河嶋瑠美、藤野貴啓、西田幸二(大阪大)
日本ではレーシックの減少に伴いICL症例が増えている印象がある。
症例は、41歳女性。両眼とも眼軸は28mmほどあり、11年前に周辺虹彩切除術後にHole(-)のICL挿入。今なら、Hole(+)ICLだろうが、周辺虹彩切除術しているのは、その当時としては良心的手技。左眼白内障で、視力低下。眼圧は両眼とも25ぐらい(これは眼圧上昇していると判断しているのだろうか)。何故か、左眼のフレア値が高い。隅角に関してはCASIAの写真のみで、隅角鏡検査していない?(時代の変化に驚いている・・)。拡大した前眼部OCT写真だけで、隅角閉塞傾向・・・って、何のことだろう。狭いのか癒着しているのかどっちかわからない筈で、だから隅角閉塞傾向ってことなんかなあ。OCTではかなり狭く、最周辺部は接着しているか癒着している可能性あれば、隅角鏡あてて、器質的な閉塞があるのかないのか判断すべきだと思うのだけど・・。もし器質的な癒着(PAS)があれば、それがどれくらいの範囲にあるのか、その結果として眼圧上昇きたしているのか。そんな判断が、かつて閉塞隅角緑内障診療の基礎だと思ってたけど・・。どちらにしても、レンズとったら終わり・・なんて、感覚が、こんな発表になったのかも。時代が変わったのかなあ・・。ただ時代が変わっても、隅角鏡あてないで、隅角の評価は無理だと思うけど。
※フレア値が高かったのは何故?ICLと虹彩裏面が常に接触しているからでしょうか?
※当然予想される事だが、問題は、どれくらいの頻度で発症しているのか。ICLなど入れなくても、一定数、慢性閉塞隅角になる症例があるのだから、ICLいれることで、そのリスクを増大させることは十分考えられる。レーザー虹彩切開術や周辺虹彩切除術があり、瞳孔ブロックは生じなくても、慢性閉塞隅角にはなりそう・・。また当然、高度近視眼でも前房深度浅いことあり。ICL挿入前の検査で、前房深度や隅角の広さの基準はないのだろうか。
2 活動期甲状腺眼症に対しTeprotumumabを使用し複視が改善した1例
○上江田基宏(淀川キリスト教病院)、森本壮(大阪大)、中井慶(淀川キリスト教病院)
https://www.j-endo.jp/uploads/files/edu/koujyousengansyo_3.pdf
⇒

症例は58歳女性。主訴複視 半年前から下眼瞼腫脹、その後複視。 MRIで下直筋腫大+甲状腺ホルモン異常値で受診。抗TPO抗体(TPOAb)↑、抗TSH受容体抗体(TSAb)↑活動性甲状腺眼症として、テプロツムマブ投与。一応、眼球突出・眼球運動ともに、改善が得られたらしい。
※高額なので、適応の問題は?眼球突出は、客観的な数値よりも自覚症状で、治療適応を決めている。今回の症例はかなり軽症のような・・・医療経済的には、どうなのだろう・・
テプロツムマブ(teprotumumab: TEP、テッペーザ®)
https://www.tepezza.jp/profile/mechanism
https://www.nichigan.or.jp/news/detail.html?itemid=792&dispmid=1050&TabModule1051=0
※画期的新薬であるとともに、意外に無効が多いとも聞いている。また、一連の治療に800から1600万円かかるとも・・・
⇒非常に高価な薬剤なのに、そもそも最初から20%無効で、長期的にみれば66%無効という論文もあるらしい。コスパ悪すぎかも・・
3 CTRごと脱臼した多焦点眼内レンズを再利用縫着した2例
○新開陽一郎 、松本佳保里(医誠会国際総合病院)、小嶋健太郎、外園千恵(京都府立医大)
⇒ 『白内障手術後6~12年で発症する合併症である眼内レンズ(IOL)脱臼に関する研究を分析しました。この合併症は、患者の0.5~3%に発生し、典型的には65~85歳です。』
CTRをチン小帯が脆弱あるいは一部断裂している症例にいれるのなら、当然考えられる帰結。高いレンズだし、再利用したいところ。ただIOL固定位置が想定外の場合、単焦点IOLの入れ替えになる。
※CTRごと縫着する場合、3点の方が安定する。

