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第467回 大阪眼科集談会 その2 (1352)

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17年前の愛犬・・(今やほぼ寝たきり^^;)


4 高齢の線維柱帯切除術後に生じた上脈絡膜出血の1

○松村徳和、春名優甫、本田 茂(大阪公大)

※若干適応が気になるなあ・・。90歳にレクトミー・・・させたくないなあ。一つ間違ったら、駆出性出血だし、レクトミーの適応は慎重であってほしい。ハンフリー視野の結果を悪化と判定されていたが、90歳代の視野の信頼性はどの程度のものなのだろう。片眼が十分見えていたら、残された視機能障害がそれほど逼迫したものでなかったら、高齢者に対するレクトミーは、もっと慎重であってもいいのでは・・。それに、PASindex30%POAGって、どういうことだろう?

 レクトミー術後、眼圧5ぐらいで、4日目術創からの漏出あって眼圧3。眼痛とともに上脈絡膜出血(+)。一度再出血したようだが、1ヶ月弱で徐々に吸収。最終的に濾過胞平坦化して、アイラミド、ザラカム入れて眼圧10に。ただ、視力は0.4から指数弁へ。

5 未治療新生血管型加齢黄斑変性に対するアフリベルセプト8mg6か月成績

○藤關義晴、切石達範、石野雅人、植村太智、大中誠之、今井尚徳(関西医大)

通常はアイリーア2mgだったが、今回は8mgのスタデイ。滲出抑制効果は高く、基本8mgになりそう・・。 

6 眼所見を呈したAlagille症候群1型の2

○山下正奈、國吉一樹、日下俊次(近畿大)、その他

https://www.takeda.co.jp/patients/alagille-pfic/ 

https://www.nanbyou.or.jp/entry/830 

⇒『原因遺伝子としてJAG11997年に、Notch22006年 に、それぞれ発見され、現在ではJAG1の異常によるアラジール症候群1型とNotch2によるアラジール症候群2型が区別されるようになった。JAG1 Notch2はともに、Notchシグナル伝達系を構成し、この遺伝子異常が胎生期の発生過程で何らかの影響をきたすことが原因と考えられているが、病態の詳細は不明である』

https://www.nichigan.or.jp/Portals/0/resources/member/guideline/anterior_segment_dysgenesis.pdf 

今回眼科的には、標的眼底があって中心暗点、2例目は黄斑変性と網膜血管の増殖性変化あり、硝子体手術が必要になった。後部胎生輪(+)

7 弱視を伴う間欠性外斜視として長期経過観察中に視力低下の進行により脳腫瘍が見つかった小児の1

○坂田麻里子、森本 壮、藤野貴啓、河本晋平、岩﨑莉佳子、北口善之、下篠裕史、西田幸二(大阪大)

https://www.jsn-o.com/guideline2021/ophg2021.html 

6歳から間欠性外斜視と弱視で経過観察されていたが閉院したので、別の眼科受診したら視神経萎縮があった。GPで右同名下1/4盲、左傍中心暗点(+)MRIして視神経膠腫(毛様細胞性星細胞腫)

※小児の視神経萎縮の原因としては、脳腫瘍がもっとも多く、その中で視神経視床下部神経膠腫が最も多い。

※長期経過中に見つかったというより、見逃されていた視神経萎縮を見つけたということかな・・・。視力低下があってもなかっても・・・

8 内斜視を呈し、眼球運動時痛を伴ったFisher症候群の2

○西川優子、菅澤 淳、廣川貴久、柊山友里恵、松尾純子、喜田照代(大阪医薬大)

41歳女性。感冒後、ふらつき・嘔吐・頭痛、そして眼球運動障害、内斜視と上方視で疼痛(+)、外転制限(+)・・・⇒GQ1bIgG抗体陽性。フィッシャー症候群疑い。自然経過で症状(内斜視・眼痛)消失。

「フィッシャー症候群ではウイルスや細菌の菌体上のGQ1bガングリオシド様リポ多糖に対する自己抗体(抗GQ1b-IgG抗体)が産生されており,これが自己免疫機序を介して末梢神経上のGQ1bガングリオシドと交差反応し,神経障害を生じさせている。フィッシャー症候群の補助診断マーカーとして使われる。」

56歳男性。眼痛(上眼瞼部)と複視。GQ1bIgG抗体陽性判明して、FS診断。自然経過で症状消失。

https://www.neurology-jp.org/guidelinem/gbs/sinkei_gbs_2013_06.pdf

FSの三徴:外眼筋麻痺・運動失調・腱反射消失。抗GQ1bIgG抗体陽性80

※結構眼痛多いらしい。トロサ・ハント症候群と鑑別必要なことあり。

GQ1bIgGは、三叉神経に発現しているので、抗GQ1bIgG抗体により疼痛が・・・

※鶏肉の生食・カンピロバクター感染、その後GBS発症・・という可能性も推定されている。

ギラン・バレー症候群(GBS)⇒

https://www.med.kindai.ac.jp/diseases/Guillain-Barre_syndrome.html 

フィッシャー症候群(MFS)⇒GBSの1亜型

https://www.neurology-jp.org/guidelinem/gbs/sinkei_gbs_2013_06.pdf 


by takeuchi-ganka | 2025-09-15 15:59 | Comments(0)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka