GCLの菲薄化が将来の視野進行を予測できるか・・・(1358)
2025年 11月 04日
緑内障学会の一般口演で、GCLの菲薄化が将来の視野進行を予測できるか・・・というような発表を聴いた。もし、全く予測できないなら、何のためにOCTしているのか・・ということになる。ただ、仮に、GCLの厚みが100%の状態から、徐々に減少して、60%を切って初めて視野変化が出るとしても、その後どれくらいの時間で視野異常が出てくるかは、対象症例の観察開始時の厚みが何%だったのかによって異なるのだと思う。70%なら10%減で視野変化(+)となるだろうし、100%なら30%減でも視野異常(-)だろうし、その10%減や30%減に要する時間もまた症例ごとに異なるだろう。対象症例のGCLの厚みを揃えて、例えば80%の状態から、毎年1μm減少なら最初に視野異常が検出されるまで10年かかるとか、毎年3μm減少なら3年もかからないとか・・・がわかってくると、次の手段を早めにチョイスできる・・・ような気がする。
OCTと視野の経時的変化を見ながら治療していると、視野は安定しているものの、OCTが悪化している場合がよくある。

この症例は、下方視野がゆっくりと悪化しているが、OCTのcpRNFLの評価は、上方のダメージが強いものの(赤い部分)、あまりさらなる悪化はなく、悪化しているの(差分表示の緑・青)は、下方のダメージの軽い方だ。視野だけ見ていると下方に鼻側階段があるが、安定している緑内障ということになるが、OCTだけ見ていると上方の前視野的変化が比較的速い速度で進行しているとも言える。このままだと、障害の軽いはずの下方の神経線維の障害が上方の神経線維の障害を追い越すので、精一杯の治療が必要との判断になる。もっとも、このケースでは、ベースライン眼圧15ぐらいから治療開始したが、OCTによる緑内障進行を確認後、点眼2成分に増やして10ぐらいまで下降しているので、これ以上の眼圧下降は難しいけれど・・

※ここで、OCT解析から将来の視野予測だが、この症例の下方神経線維の量が上方の神経線維の量に追いつく頃、つまり80μm以下になると視野異常が検出されるとすると、あと数年で視野異常がでると予想される。だからといって、10近くまで下降した眼圧を、更に点眼を追加しても、なかなか一桁にはならないだろうし、この段階で濾過手術まで、して一桁に下げると、失うものも大きいような気がして、積極的にすすめる気にはなれない。もちろん白内障が出てきたら、同時手術をすすめるけど。



