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『難病と闘う子供たち』

 『難病と闘う子供たち・・・私たちはこんな病気と闘っています』という番組がありました。
何気ない、平凡な毎日こそが、何物にも替え難い貴重なものであることを、教えられ、この非情な病気の進行に涙せずにいられませんでした。涙腺機能の亢進か、鼻涙管機能の衰えかもしれませんが。
 紹介されていた難病は、モルキオ、もやもや、FOP、ミトコンドリア病・・・最後にベーチェット病という眼の病気でした。

 ベーチェットは、眼科疾患なので、少しコメントします。
 眼科の病気の中に、ぶどう膜炎という病気があります。サルコイドーシス、原田病、ベーチェットの3つが有名ですが、実際に最も多いのは、原因不明の軽症ぶどう膜炎です。サルコイドーシスも時々見ますが、原田病は、新患が年に数人でしょうか。ベーチェットは、何故か少なくなりました。大学勤務時代は、いつも数名入院していたように思いますが。また何故か、北海道・東北に多く、女性より男性に多く、かつ重症化します。30歳代前半にピークがあります。
この疾患は、トルコのベーチェットが提唱した疾患で、口腔粘膜のアフタ性潰瘍、皮膚症状、眼のぶどう膜炎、外陰部潰瘍を主症状とし、眼科では、ぶどう膜炎の急性発作を繰り返す疾患です。繰り返し起こり、ステロイド治療で、一時的に寛解しても、また発作がやって来ます。色んな薬がありますが、治療は困難を極めます。
光明と言えば、最近、インフリキシマブ(商品名 レミケード)とう薬が注目されています。他の炎症性腸疾患であるクローン病の薬物療法として、保険適応となり、効果が認められています。この薬は抗TNFα抗体で、TNFαと結合してその作用をおさえたり、TNFαをつくっている細胞もやっつけて、炎症を抑えます。ベーチェット病の炎症もTNFαが関与しているといわれ、ベーチェットの難治性網膜ブドウ膜炎に対してはレミケードが米国では認可され効果がみられています。今後の報告が期待されます。
by takeuchi-ganka | 2007-01-10 23:28 | その他 | Comments(0)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka
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