アレルギー性結膜炎

2000万人のアレルギー性結膜疾患患者さんの為に・・

アレルギー性結膜疾患(allergic conjunctival diseases : ACD)
※なるべく、アレルギー性結膜疾患診療ガイドラインに基づいて、記載していきますが、このACDというのは、Ⅰ型アレルギーが関与している結膜の炎症性疾患で、以下の4病型があります。眼の痒みを主症状とする所謂アレルギー性結膜炎の殆どは、1のアレルギー性結膜炎でしょうが・・・

1、アレルギー性結膜炎(allergic conjunctivitis : AC)
※増殖性変化なし
  1)季節性アレルギー性結膜炎
  (seasonal allergic conjunctivitis : SAC)

大部分が花粉が原因で、2月から3月のスギが最も有名ですが、3月から4月のヒノキ、5月のイネ科雑草、8月から10月のキク科雑草なども原因となっています。65-70%に鼻炎を伴っており、内科・耳鼻科・小児科を受診されそこで治療されている患者さんが半数以上いると聞いています。ただ、点眼は、眼を見て出さないと・・・と思うのですが。

  2)通年性アレルギー性結膜炎
  (perennial allergic conjunctivitis : PAC)

抗原としては、ハウスダスト、ダニが多い。特に高齢者では症状が軽く所見が乏しく、診断が困難なことも・・・。意外と、それほど症状が強くなくて、何が原因かわからなくて、これといった特徴もなくて、慢性化している結膜炎の中に紛れているのかもしれません。

2、アトピー性角結膜炎(atopic keratoconjunctivits : AKC)
顔面のアトピー性皮膚炎(AD)に伴うアレルギー性結膜炎で、頑固で遷延しやすく、増殖性変化を伴うこともあります。皮膚炎同様、簡単にはいかないようです。点眼だけでは不十分なことが多く、皮膚科・内科との連携が必要だと思います。

3、春季カタル(vernal keratoconjunctivitis : VKC)
結膜に増殖性変化(瞼結膜の巨大乳頭、輪部のTrantas斑など)のある重症のアレルギー性結膜炎。角膜潰瘍やプラーク、角膜内血管新入を伴うこともあります。原因としては、ハウスダスト、ダニが多いようです。重症かつ難治でアレルギー性結膜疾患の中で、一番厄介な相手です。ただ、1年ほど前にシクロスポリン点眼が発売されていますので、この点眼が、他の点眼のように副作用を気にせず使えるなら、強力な武器がひとつ手に入ったことになります。

4、巨大乳頭結膜炎(giant papillary conjunctivits : GPC)
臨床的には、コンタクトレンズ装用に関連したものが圧倒的に多いですが、義眼、縫合糸などでも発症します。

それでは、順番にやっつけてゆきましょう。最初は、一番ポピュラーなアレルギー性結膜炎です。
季節性アレルギー性結膜炎と通年性アレルギー性結膜炎がありますが、多いのは季節性、つまり、花粉の飛散時期に一致して発症する花粉を抗原とするアレルギー性結膜炎です。

淀川河川敷周辺診療所としては、イネ科雑草花粉も結構メジャーなのですが、やはりスギ花粉が最大の原因です。何故こんなにスギ花粉アレルギーが増えたのかは、諸説あると思いますが、戦後森林資源確保の為に、他の種類の林を伐採してまで、スギ植林がかなり大規模に行われました。何故、大規模にスギ植林が行われたかと言えば、これもご他聞に漏れず、国が補助金を出したのです。長期的展望なんか、あるようで、実はその場しのぎ・・。結果、その後外国から安価な材木が輸入され、スギは伐採されることなく放置されたのです。このスギが30年以上経過すると花粉生産可能な林齢に達して、花粉の大量飛散が始まりました。これが花粉症の原因の大部分をスギが占める原因でしょう。つまり、国の責任です。
他の要因としては、
・大気汚染の一因となっている浮遊粒子物質(SPM)です。このSPMの殆どを、石原都知事の会見で有名になったディーゼル車の排出する微粒子(DEP)が占めています。このDEPの増加が、花粉症増加の一因と考えられているのです。
アレルギー性結膜炎_f0088231_21441267.jpg

(ガソリン車の排ガス規制は非常に厳しく、昭和50年頃から始まったのに、何故かディーゼル車は野放し状態で、DEPを撒き散らしながら走り続けました。これも国の責任?!)
・子供の頃、『まくり』と呼ばれた死ぬほど不味い回虫駆除の薬(海人草とう海藻が原料)を飲まされました。後に、ピロンチョコなどとお洒落な名前の少しだけ美味しい薬に変わりましたが、1950年代の回虫感染率は60%もあったのです。これが、この駆除薬のおかげで、現在は0.01~0.02%にまで低下しました。この寄生虫感染が、非特異的IgEを産生し、これが、アレルギー抑制作用を発揮していたと考えられています。この寄生虫感染の撲滅がアレルギー性結膜炎の増加の原因と考えられています。だからといって、虫を飼う気はないですが・・・

※通年性アレルギー性結膜炎の原因は、ダニ、ハウスダスト、カビなど通常家の中に存在するものが原因ですが、複数の花粉が抗原となり通年性の様相を呈していることもあると思います。

原因についての言及はこのぐらいにして、次は、予防と治療の話にうつります。
by takeuchi-ganka | 2007-01-18 21:48 | 結膜炎 | Comments(0)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka
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