シニアグラスを理解する為に5
2007年 02月 12日
目的距離。若い時は、特に意識する必要がないものですが、45歳以上になると、そうはいきません。45以上で、これを意識しなければ、快適な眼鏡を手に入れることはできないのです。
『目的距離』
これは人によって様々でしょうが、受験勉強世代なら、手元・デスクといった1m以内。勉強派でなくて運動派なら、より注視距離は長いでしょう。でも、若い人は調節力が豊富なので、よほど強い遠視でもなければ、意識する必要がない。でも中高年になると、そうは行かない。しかも遠方より室内での注視時間(数m?)が長くなるのです。
今年50になる私の場合、診察(1m以内)・パソコン(50cm)・読書(40cm)など、圧倒的に1m以内の作業が多いのが特徴です。勿論、車の運転もゴルフもしますので、遠方注視も必要なのですが、時間的には圧倒的に1m以内です。もっと詳細に仕事上の目的距離を自己分析してみます。
①肉眼で患者さんの眼をみるのは、しっかりみる必要があるので、30cm。
②倒像鏡による眼底検査は、同様の近業作業。
③顕微鏡類は、視度調整できるので問題ない。
④カルテは30cm。細かなスケッチは20cm?
⑤パソコン画面は50cm。
⑥暗室以外に目をやるのは1-2m?。
⑦眼底カメラを取りながら、パソコン画面を見るのに1mなど・・・
などと、様々な距離を注視することが要求されます。自己分析では、30cmを主目的とし、時々1-2m程度まで必要と判断しました。結論としては、仕事の時は、レンズ上方に少し逆累進を加えた近近眼鏡を使っています。勿論、車の運転やゴルフは通常の遠近を使いますが。このように、快適な眼鏡を手に入れる為には、自分の仕事を含めた日常生活を注視距離という観点から分析してみることが必要なのです。
なんとなく見にくいから眼鏡を作る。つらいのは、中近なのに、若い時のように、眼鏡といえば遠方視力を重視してしまう。この辺のアドバイスは、ちょっとは勉強した眼科医や、かなり気の効いた眼鏡店を尋ねると得られる筈です。安くても役に立たない眼鏡ほど高い買い物はないと思います。中高年の眼鏡は、よく考えてから作ってくださいね。メガネを値段で選んだらあきまへん。