緑内障点眼1
2007年 03月 05日

チモプトール点眼(昭和56年)と

サンピロ点眼(昭和42年)が主流でした。主流というよりは、実質、これしかなかったのです。3年以上さかのぼると、チモプトールすらなかったのです。ピロカルピンとエネフリンだけ。このエピスタという名のエピネフリン点眼は、散瞳するし、狭隅角眼に使えない、黄斑症の問題もあり、マイナーな存在でした。
したがって、当時のファーストチョイスは、β遮断剤のチモプトール点眼です。眼圧下降が不十分な場合やβ遮断剤が使えない場合は、ピロカルピン点眼(1%か2%)の1日4回点眼が使われていました。今でこそ、ピロカルピンは強い縮瞳を伴うので、特殊な場合を除いて使用がためらわれますが、当時は、主役のひとつでした。緑内障患者さんは、縮瞳している人が非常に多かったのです。(特に前房が浅い場合は、急性発作予防にもなるので・・)通常、この2種類の点眼で、眼圧コントロール不良なら手術ですが、手術を希望されない場合は、炭酸脱水酵素阻害薬の内服を処方していました。1錠分2ぐらいを、長期使用の上限にしていました。
β遮断剤は、チモプトールの後、

その後発売されたβ遮断剤はそれぞれ特徴があり、ベトプティック(平成6年)はβ1選択性遮断作用があり、眼圧下降効果が強くないですが、Ca遮断効果もあり、眼循環改善が期待されています。low teensのNTGに対しては、選ばれることも多いと思います。
この他、β遮断剤の副作用を少なくすつ為に、1日1回点眼の




また、

かつて、エピスタという交感神経作動薬がありましたが、これはαβ受容体すべてに作用します。このエピネフリンのプロドラックである

交感神経系作動薬に、α2刺激薬のアプラクロニジンとブリモニジンがあります。前者は、アイオピジン(平成11年)とう名で発売されていますが、後者は未発売です。アイオピジンは、長期使用すると、アレルギー反応が多く、効果も減弱するので、レーザー治療後の一過性眼圧上昇予防のみに使用が限定されています。
この他には、ブロスタグランジン製剤のキサラタン、レスキュラ、炭酸脱水酵素阻害薬点眼のエイゾプト、トルソプトがありますが、現在ファーストチョイスにしているのは、このキサラタンですが、これらは次回にします。