緑内障点眼1

 私が眼科医になった頃(昭和59年)、緑内障の点眼は、緑内障点眼1_f0088231_15455352.jpg
チモプトール点眼(昭和56年)と緑内障点眼1_f0088231_15462596.jpg
サンピロ点眼(昭和42年)が主流でした。主流というよりは、実質、これしかなかったのです。3年以上さかのぼると、チモプトールすらなかったのです。ピロカルピンとエネフリンだけ。このエピスタという名のエピネフリン点眼は、散瞳するし、狭隅角眼に使えない、黄斑症の問題もあり、マイナーな存在でした。
 したがって、当時のファーストチョイスは、β遮断剤のチモプトール点眼です。眼圧下降が不十分な場合やβ遮断剤が使えない場合は、ピロカルピン点眼(1%か2%)の1日4回点眼が使われていました。今でこそ、ピロカルピンは強い縮瞳を伴うので、特殊な場合を除いて使用がためらわれますが、当時は、主役のひとつでした。緑内障患者さんは、縮瞳している人が非常に多かったのです。(特に前房が浅い場合は、急性発作予防にもなるので・・)通常、この2種類の点眼で、眼圧コントロール不良なら手術ですが、手術を希望されない場合は、炭酸脱水酵素阻害薬の内服を処方していました。1錠分2ぐらいを、長期使用の上限にしていました。

 β遮断剤は、チモプトールの後、緑内障点眼1_f0088231_1663986.jpgベントス、ミケランと発売されました。ベントスは、アレルギーが多くて次第に使われなくなりましたが、角膜に優しいと言われているミケランは現在でも主役のひとつです。(このミケランの発売が昭和59年だったと思います。)β遮断剤は、交感神経のβ受容体を遮断する薬物ですが、β1遮断による循環器系への影響や、β2遮断による喘息誘発の危険性は無視できません。チモプトールやミケランは、β1・β2の選択性はなく、ミケランには、α2受容体刺激作用があります(血流改善効果あり?)。
 その後発売されたβ遮断剤はそれぞれ特徴があり、ベトプティック(平成6年)はβ1選択性遮断作用があり、眼圧下降効果が強くないですが、Ca遮断効果もあり、眼循環改善が期待されています。low teensのNTGに対しては、選ばれることも多いと思います。

 この他、β遮断剤の副作用を少なくすつ為に、1日1回点眼の緑内障点眼1_f0088231_1673113.jpg緑内障点眼1_f0088231_1675828.jpgチモプトールXE(リズモンTG)(平成11年)や、防腐剤の入っていない緑内障点眼1_f0088231_1682344.jpgチマバック(平成12年)、α1遮断作用を利用してβ遮断剤濃度を低くおさえたハイパジール(平成11年)。様々なβ遮断剤ファミリーが登場しました。夫々、従来のβ遮断剤に対して、一定のアドバンテージがあると主張して発売にいたったのです。緑内障点眼1_f0088231_16284644.jpgこれらは、基本的には、β2遮断による房水産生抑制とβ1遮断による機序不明の作用により眼圧下降作用を発揮します。




 

 また、緑内障点眼1_f0088231_1692047.jpgデタントール(平成13年)というα1遮断薬があり、これは、uveoscleral flow を増加させることにより眼圧を下降させると言われています。若干眼圧下降効果が弱いので、2番手3番手?のチョイスにしています。




 かつて、エピスタという交感神経作動薬がありましたが、これはαβ受容体すべてに作用します。このエピネフリンのプロドラックである緑内障点眼1_f0088231_1694348.jpgピバレフリン点眼(昭和63年)が発売されましたが、エピネフリンの17倍角膜を通りやすいので、1/10の濃度で十分なのでしょうが、やはりエピスタ同様の散瞳するし、その後充血するし、十分な眼圧下降は期待できないと判断し、私は殆ど使用しなくなりました。

 交感神経系作動薬に、α2刺激薬のアプラクロニジンとブリモニジンがあります。前者は、アイオピジン(平成11年)とう名で発売されていますが、後者は未発売です。アイオピジンは、長期使用すると、アレルギー反応が多く、効果も減弱するので、レーザー治療後の一過性眼圧上昇予防のみに使用が限定されています。

 この他には、ブロスタグランジン製剤のキサラタン、レスキュラ、炭酸脱水酵素阻害薬点眼のエイゾプト、トルソプトがありますが、現在ファーストチョイスにしているのは、このキサラタンですが、これらは次回にします。
Commented by こんにちは at 2008-12-17 14:17 x
ブリモニジンはどんな感じでしょうか?
by takeuchi-ganka | 2007-03-05 16:34 | めぐすり | Comments(1)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka
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