緑内障点眼2
2007年 03月 06日

長年、チモプトールが緑内障治療薬のファーストチョイスの座にありました。昭和56年に登場してから、キサラタンが発売される平成8年までの15年ほどです。平成6年に世界初のプロスタグランジン関連薬のレスキュラが発売され、その実力の割りに広く使用されたのは、チモプトールが制した15年があまりに長かった反動だったのかもしれません。ただ、平成8年には、このレスキュラの中途半端な眼圧下降作用を遥かに凌駕する点眼薬、キサラタン

ただ、この点眼にも副作用があります。β遮断剤のように全身的な副作用が殆どないのは大きな魅力なのですが、局所では色々起こるのです。刺激感や充血で最初から使えないことも時にありますが、副作用としては、まず、虹彩に色素沈着がおきます。かなり高率ですが、もともとブラウンアイの日本人は、あまり苦にならないようです・・・。睫毛が長くなります。ほぼ100%じゃないでしょうか。ただ、この副作用も、あまり嫌がられないようです。眼瞼皮膚に色素沈着も起こります。こういった副作用を防ぐには、お風呂に入る前の点眼とか、夜の洗顔前の点眼とか、皮膚についた余分の点眼をすぐに洗い流す注意が必要だと思います。
β遮断薬は房水産生を抑制することで眼圧を下げますが、プロスタグランジン関連薬は、房水のぶどう膜強膜流出路からの流出を促進します。β遮断剤とは全く作用機序が異なるので、組み合わせると、相加効果が期待できます。
このキサラタンが万能かというと、必ずしもそうではなく、切れ味のいい眼圧下降を示す場合もあれば、所謂ノンレスポンダーと呼ばれる、あまり眼圧が下がらない場合もあるのです。ベースラインから、10%以上は下がらないと、効果があるといいにくい。少なからずそんな例があります。そんな場合に、新しいプロスタグランジン関連薬の登場が期待されていて、アメリカでは、トラバタン、ルミガン


といった新薬が登場しています。同類の薬なので、大きな期待はできませんが、選択肢が増えるということは、いい事なんでしょうね。
次回は、炭酸脱水酵素阻害剤です。

PACGのLI後に対しβとPGではどちらが第一選択となりますか?根拠があれば教えて欲しいのですが。




PACGのLI後に眼圧は正常値、眼痛や嘔気もない場合でも、すぐに点眼は開始したほうが良いのでしょうか?それとも2~3日は点眼無しで様子を見たほうが良いのでしょうか?できれば、その理由も教えて下さい。


本当に勉強になります…。