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当院の検査機器の紹介:HRTⅡ(その4)

※左眼結果報告(パラメーター)
当院の検査機器の紹介:HRTⅡ(その4)_f0088231_1545454.jpg

Disc area
 HRT2は、画像獲得後、瞬時に100個(13×7+9)のパラメーターを計算してくれます。本題と少し離れますが、最初一番面白いと思ったのは、disc areaです。この乳頭の大きさは様々だとは感じていましたが、数字でキチンと提示されると、この乳頭は、1.5平方ミリメートルなのかとか、2.2なのか、3.5もあるのか・・などと、乳頭の大きさに対するイメージが客観的になります。また、この乳頭の大きさは、緑内障の診断精度に大きく関わる要素でもあるのです。例えば、3.5もあれば、当然大きな陥凹があるので、一見、緑内障に見えます。しかも、自動診断は、非常に高頻度に緑内障と判定しますし、検診で緑内障疑いも、大きな乳頭のことが多いです。このデータがあれば、改めて、NFLDがないことを確認し、視野が正常なことをあわせれば、余裕をもって、異常じゃないと判断できるのです。また、非常に小さな場合は、乳頭の低形成も考慮する必要があります。この低形成は時に緑内障類似の視野欠損を伴うので、要注意なのです。

 各パラメーターは、緑内障と診断する際に重要なものと、緑内障と診断された後に、悪化の有無や悪化速度の判断に重要なものとがあると思います。メーカーが重要なパラメーターとしている rim area や rim volume は、絶対値なので、乳頭の大きさに大きく影響をうけますし、診断よりは、データが蓄積してきたら、悪化の程度判定に重要でしょうか。Cup shape measure (陥凹全体の3次元的な形状の値)?なかなか直感的に理解できない数値げすが、これは最初の診断の時に有用な値でしょうか・・
 たかだか、平均2.2平方ミリメートルの乳頭に100個もパラメーターがあると、かえって困惑してしまいますので、この中の一部にのみ注目していくことになると思います。

Cup /disc area ratio
Linear cup/disc ratio


 緑内障の視神経を評価する値として、CD比というのがあります。非常に古くから愛用されている数値でありながら、その曖昧さが常に批判の矢面にさらされている数値です。でも、これが0.9以上と書いてあれば、かなり進行した緑内障だろうと思いますし、0.3とあれば、まず緑内障じゃないだろう?と思いますし、0.6とあれば、怪しいから精査しようと思うものです。この数値を飛躍的に客観的に示してくれるのが、この3つのパラメーターです。

Cup /disc area ratio 
乳頭に占める陥凹の面積比
Liniear cup/disc ratio
乳頭の中心を通る水平線上での乳頭に占める陥凹部分の長さの比を水平CD比、乳頭の中心を通る垂直線上での乳頭に占める陥凹部分の長さの比を垂直CD比といい、昔から愛用してきた数値ですが、この値は、すべての経線のCD比を代表する値のようです。これらは、倒像鏡で眼底を見て、CD比0.6などと言うより、100倍精度高いでしょう・・。

①Disc area(乳頭の面積)
②Cup area(乳頭陥凹の面積)
③Rim area(リム面積)
④Cup/disc area ratio(陥凹と乳頭の面積比)
⑤Rim/disc area ratio(リムと乳頭の面積比)
⑥Cup volume(陥凹体積)
⑦Rim volume(リム体積)
⑧Mean cup depth(陥凹の平均深度)
⑨Maximum cup depth((陥凹の最大深度)
⑩Height variation contour(コントアライン沿いの網膜表面の高さの変化における最も高い場所と低い場所の差)
⑪Cup shape measure(乳頭陥凹の3次元形状の計測した値)
⑫Mean RNFL thickness(コントアライン沿いの網膜表面と基準面との平均距離)
⑬RNFL cross sectional area(コントアライン沿いの網膜表面と基準面との平均距離にコントアラインの長さを乗じた値)

①~⑬は、乳頭全体・耳側・耳上側・耳下側・鼻側・鼻上側・鼻下側と各7個(計91個)の数値があります。

①Linear cup/disc ratio(陥凹直径と乳頭直径の比の平方根:すべての経線に沿った陥凹/乳頭比)
②Maximum contour elevation (コントアラインの最も高い場所の高さ)
③Maximum contour depression(コントアラインの最も低い場所の高さ)
④CLM temporal-superior(耳側から上方までのコントアラインの振幅)
⑤CLM temporal-inferior(耳側から下方までのコントアラインの振幅)
⑥Average variability (SD)(コントアライン内の全ピクセルの平均標準偏差)
⑦Reference height(基準面の高さ:乳頭周辺網膜の平均の高さから算出)
⑧FSM discriminant function value(検査した視神経乳頭の評価) 
※正の値ならnormal。それ以外は outside normal limits
⑨RB discriminant function value(Reinhard Burkの理論による視神経乳頭の評価) 
※正の値ならnormal。それ以外は outside normal limits

このように様々な角度から乳頭形態を検証していくのです。
by takeuchi-ganka | 2007-03-27 15:52 | 緑内障 | Comments(0)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka
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