第一弾:遠視について
2007年 05月 01日
第一弾:遠視について
遠視について語ってみようと思います。遠視とは、一般の方には、どんな風に理解されているのでしょうか?『遠くが良く見える』が、大方の意見でしょうか。当たっているようで当たっていないのです。この遠視を説明する為には、『調節』という機能を理解してもらわないといけません。
この調節という機能は、眼の中の水晶体というレンズを厚くする機能の事です。遠くの景色をぼーっと見ていて、1m先のテレビを見るとき、レンズ度数で1D分厚くします。30cmの距離の新聞を見るなら、約3D分厚くします。ところが、このレンズは、年をとると厚くなることが出来なくなるのです。10歳なら、平均12Dも厚くできます。30歳でもまだ7D。40歳なら4D。50歳だと2D。60歳は1Dです。つまり、3D厚くできると本が読めるので、40歳以降、45歳ぐらいから本を読みにくくなり、50歳ぐらいからはっきりと老眼を意識することになるのです。


図で示します。左の図がぼーっとして、遠くを見ている時。右の図が読書している時です。右の図ではレンズが分厚くなっています。つまり、凸レンズの度数がアップしているのです。これが調節です。そして、このレンズを厚くできなくなることが老眼なのです。

前置きが長くなりましたが、ここから遠視の本題です。この図が遠視眼です。つまりボーっとしている状態では、ピントがあってないのです。


ところが、我々?には、調節力があります。特に子供には非常に豊富な調節力(10歳で12D)があるのです。従って、調節力≧遠視度数となっている間(若い間)は、遠視の存在を意識することなく良好な視力を維持することが出来るのです。だから、遠視は、『遠くがよく見える眼』というイメージになるのでしょうか。だからこそ、この遠視は、調節力の変化に伴って表情を変えます。調節力がなくなると、遠視本来の姿が表に出てくるのです。
それについては、次回以降で・・・