2007年 06月 09日
第四弾 瞼裂斑

これは、黒目の両サイド(鼻側に多い)にできる黄白色の隆起で、瞼裂斑とよばれ、加齢とともに増えていきます。組織学的には、上皮下組織の膠原線維の類弾性線維変性と言われています。
要するに、誰でもある程度の年齢になると、黒目の両サイドに黄色いものができるのです。小さいこともあれば、結構大型になることもあります。また、血管が目立つことが多いのです。充血・腫脹した時は、瞼裂斑炎と呼ぶことがありますが、病的意義は高くありません。ただ、充血すれば、よく目立つので、気にして来院されることは多いのです。美容上の問題の方が大きいかもしれません。
瞼裂斑炎と他疾患と診断を迷うことはあまりありませんが、強いて挙げれば、
1、結膜フリクテン・角膜フリクテン
2、強膜炎
3、結膜炎(細菌性・ウイルス性)
4、翼状片
5、角結膜扁平上皮癌
などでしょうか。

特にこの結膜フリクテンは、よく似た所見を呈します。こちらの方が、異物感・涙・痒みなどが強い。フリクテンは最初赤みを帯びた結節だが、やがて中央部が壊死して潰瘍になり、フルオレセインで染色されます。ここまでくると鑑別は容易です。ただ、4、5、を除いて、治療法は、同じようなものなので、迷っている内に治ってしまうこともありますが・・・。