感染症のミニ勉強会
2007年 07月 01日

1、子供の結膜炎
インフルエンザ菌が圧倒的に多い。ついで肺炎球菌、黄色ブドウ球菌。
風邪で目やにが出るのは、インフルエンザ菌感染。
トスフロが一番いいらしい・・・
※淋菌の場合、重症化すれば角膜穿孔も来たすので、要注意。ニューキノロンは殆ど効かない。

2、細菌性角膜炎
失明の恐れもある重症疾患。
緑膿菌、黄色ブドウ球菌、肺炎球菌、MRSAを含む耐性ブドウ球菌
ニューキノロン系単独か、βラクタム系の併用
基本は、毎時点眼。涙が多い時は、30分毎。
寝ている間は、軟膏よりも全身投与がいい。
3、涙嚢炎
黄色ブドウ球菌、肺炎球菌を含むレンサ球菌、緑膿菌
基本は涙道の洗浄。最終的には手術。

4、術後眼内炎
白内障手術をしていいて、最も恐れるのはこれです。
表皮ブドウ球菌を含むCSN(コアグラーゼ陰性ブドウ球菌)、MRSE、黄色ブドウ球菌、腸球菌など
予防が一番重要で、術前3日間点眼する術前滅菌法が推奨されている。(ニューキノロン系)
術中灌流液の中に抗菌剤を入れるのは、それほど意味がない。
※術後早期から点眼を開始すべきだそうですが、手元がおぼつかない高齢者に術直後から点眼させるのも怖いので、私は、術前滅菌法に加えて、術直後に抗生物質の結膜下注射をして、前房内濃度を高めるようにしています。
※この勉強会で一番勉強になったのは、点眼の配合変化問題です。薬物には、相互作用があり、内服薬の場合、組み合わせによって、効果が強くなったり、弱くなったり、予期せぬ作用が出てしまったりします。ただ、点眼の場合は、組み合わせが問題になることは殆どなかったのですが、実は、組み合わせによっては、眼表面で外観変化を来たすことがあるようなのです。もし、これが実際に副作用を引き起こすのなら、新しく発売される点眼だけじゃなく、現在発売されている全ての点眼の相互作用を再検討すべきなのかもしれません。ただ、経験上は、危険な組み合わせをまだ知りません。