人気ブログランキング | 話題のタグを見る

第359回大阪眼科集談会

平成19年8月4日
 浴衣姿の若者が多いのは、平成淀川花火大会の為でしょうが、梅田界隈はいつも異常に混雑しています。30、40、50と年齢がすすむに連れ、若者が別の国の人種のように見えてきましたが、そんな若者の群れを避けつつ、毎日新聞オーバルホールへ。それにしても、この蒸し暑さは異常かな。

第359回大阪眼科集談会
1、限局性角膜浮腫から角膜全体の水疱性角膜症に急速に進展した角膜内皮炎の2例(阪大)
  途中から聞いたのですが、身の毛もよだつ?恐ろしい病気。再生不可能な角膜内皮に限局性の炎症なら許せても、あっという間に角膜全体に広がる角膜内皮炎の発表のよう。炎症所見に乏しく、初期からしっかりと抗ウイルス治療ができない間に、回復不可能な事態に・・・?非常に稀なのが救いでしょうか。

2、Pentacam による角膜屈折矯正手術後の眼内レンズ度数の算出(多根記念病院)
  以前から、レーシックに代表されるような角膜屈折矯正手術後、白内障手術を受ける場合、角膜曲率半径の計算が正確に行えず、眼内レンズ度数の計算が正確にできないことが問題になっていましたが、従来のケラトメーターやTMSではなく、Pentacam と呼ばれる器械を用い、True Net Power を計算することで、正確な眼内レンズ度数が算定可能だそうです。
 
3、新しい網膜光凝固装置(PASCAL)の使用経験(阪大)
  波長ヤグ532nmのレーザーで、プログラムされたパターン(1個・正方形・円形・弧状)で、同時に複数のレーザー光凝固が可能なようです。如何にもアメリカンな発想?1個1個丁寧に、ターゲットに焦点を合わせて、或いは血管(新生血管)を避けて、凝固斑の色を見ながら時間とパワーを調節しつつ光凝固していくことが基本だと教わった私には、チョット疑問符のつく器械に見えます。同時に10個、20個の凝固斑が出たら便利でしょうが、ほんまに有益やろか。

4、病的近視に続発した血管新生黄斑症に対するBevacizumab(阪大)
  高度近視の黄斑部網膜下に発生した新生血管をどうするか。弱り目に祟り目?ただでさえ、視機能が低下している高度近視の黄斑部網膜下に発生した新生血管。それをそっとやっつけることができたらいいのですが、網膜光凝固では、瘢痕・萎縮が強すぎる。PDTでも線維化が強い。やはり、Bevacizumab(アバスチン)が一番いいようです。

5、肝細胞癌からの転移性脈絡膜腫瘍の1例(関西医大)
  転移性脈絡膜腫瘍は、男性なら肺がん、女性なら乳がん・肺がんと相場が決まっていますが、今回は非常に珍しい肝細胞癌からの転移。かなり大型の充実性腫瘤で、音響透過性良好?広範囲に剥離を伴っている。転移性腫瘍は、通常扁平ですが、この腫瘍は、異様に丈が高い。まるで悪性黒色腫のように?N先生、掲示板にアップしておいてもらえると参考になりますが・・・

6、小眼球症かつ近視であった閉塞隅角緑内障の1例(大阪医大)
  言葉の定義が混乱していたようですが、ごく普通の原発閉塞隅角緑内障だったような気がします。ただ、角膜が少し?小さく(径9mm弱)、眼軸も少し?短い(眼軸20mm+α)症例でしょうか。近視になったのは、角膜曲率半径の問題。ただ、松村先生が言われていたように、所謂真性小眼球症とは全く異なると思います。
  少なからず、眼軸が短く、角膜径が小さい眼は、原発閉塞隅角緑内障が生じやすいのですから、この条件の眼なら発症して当然?以前、主任教授が、真性小眼球症にuveal effusion を発症した症例に、強膜開窓術を多数例、手がけておられた関係で、見る機会が結構あったのですが、前から見ると普通の目。だけど、眼軸は異様に短い。強膜は、開窓する時、尖刃刀を何度も交換が必要となるくらい分厚い。全く特殊な眼だったと記憶しています。今回は、普通に近い?

7、進行性の耳側視野狭窄を認めた原発開放隅角緑内障の1症例((大阪医大)
  進行性の耳側視野欠損?GPの場合、ビエルム領域や鼻側周辺部と違って、耳側視野の精査は不十分になりがちで、ある時突然発見されたりするかもしれない?発見されると、精査するので、微妙に変化するかもしれない。検査員が変われば、なお更・・・。
緑内障の視野の進行にしては急速すぎる気がするし、場所は耳側?視野はGPのみ。また、デタントール点眼で進行が止まるという判断もどうでしょうか??。

8、続発性が疑われる開放隅角緑内障に対するサイヌソトミー併用トラベクロトミー(関西医大)
  なんとも微妙な内容。続発性が疑われる緑内障というのは、続発性か原発性なのか不明な緑内障?例えば、GONの程度をぶどう膜炎による続発性の眼圧上昇で説明できるの?できたら、続発緑内障。できなければ、GONは、原発性? この珍しくない病気:POAG ( or NTG)が、ぶどう膜炎を伴うことはしばしばあるとすると、今回の症例はPOAG(or NTG)with uveitisかもしれない。uveitisの既往のある眼に、ロトシノしたらどうなるか・・・という発表?答えは、短期的にはOK。

9、正常眼圧緑内障における長期変化と眼圧下降率(大阪医大)  
  テーマが非常に壮大なんだけど、視野の評価が湖崎分類のスコア化という非常にざっくりしたものなので残念。ただ、地道で真面目な発表で、どこぞの先生のよう批判するつもりは全くありませんが、視野の評価をハンフリーにしてスコア化すれば、もっといい発表だったのにね。15年以上前のGPオンリーの時代だったら、眼圧下降と視野の悪化の関連を証明することが出来なかったということでしょうか。

10、ICE症候群に対するマイトマイシン併用トラベクレクトミーの術後成績(関西医大)
 ICE症候群の緑内障にMMCレクトミーが有効。但し、初期トラブル多いので、そこを乗り切ることができるかどうかが問題。ってことでしょうか。初期トラブルが多いのは、ICEと関係あるのでしょうか。
  
11、鼻内法でおこなった結膜―涙嚢鼻腔吻合術(住友病院)
  この分野の発表は、常に関心させられます。DCRを行っておいて(鼻内法で)、涙小管が閉塞したら、涙丘を切除して、同部からジョーンズ・チューブというガラス製の鍔のついたチューブを、内視鏡で確認しつつ、涙嚢内へ挿入して縫合・留置する。ガラスが内眼角部に刺さったままというのが気になりますが、成績良好のようです。

12、角結膜感染症におけるReal Time PCR法による菌同定と定量(近大)
  これは凄い!? 培養しなくても、100分待てば、起炎菌の同定と定量ができる?サイクリングプローブ法を用いたリアルタイムPCR法。詳細は理解できませんが、100分で起炎菌が特定できて、ピンポイントに治療を開始できれば、成績は格段に向上するのでしょう。

13、両眼の網膜中心静脈閉塞症と脈絡膜剥離を合併した特発性頚動脈海綿静脈洞ろうの1例(大阪市大)
  ここの脈絡膜剥離(CD)は、UBMで検出できるような僅かなCDですが・・・。外傷性CCFは、特発性のCCFと違って、シャント量が少ない。また、特発性の原因は、30%が破裂動脈瘤で、硬膜内のAVshuntが70%。この症例は、確か、Barrow分類TypeBだから、内頚動脈の硬膜枝と海綿静脈洞との間にdural shuntが介在するもの。つまりslow flowなCCFであったので、自然治癒した。だけど、両眼のCRVOなのは何故?

14、当院のおける斜視手術の成績(湖崎眼科)
  湖崎眼科の先代は超有名な緑内障の大家ですが、現在の院長は、超有名な小児眼科の大家です。湖崎氏は、その両方を兼ね備えておられ、尊敬しております。
 今回は、1000例を越える手術成績。立派すぎる成績なので、コメントを差し控えます。

ミニレクチャー:視神経乳頭の見方(関西医大:松村教授)
  松村先生の講義が聞けるなんで、何か得した気分です。もっとして欲しいなあ・・。
  実は、結構多いかもしれない視神経乳頭低形成・・・と感じています。最近、HRTⅡをとるようになったので、今までなら、少し小さいなあとか、チョット大きめかなあ・・などと、印象で判断していて、いちいち面倒なDM/DD比なんか測定してませんでしたが、乳頭面積を数字で出してくれるので、スッキリします。すると意外と乳頭面積のばらつきが大きいことに驚いています。
※視神経乳頭の見方も、もう少しレベルアップさせないと。

 今回も演題は、14と非常に少ないですが、この程度の量が、ちょうどいいような気もしますが・・・。

※ 集談会が終わり、非常に蒸し暑い夕方、再び梅田へ向かうと、花火大会の影響か、昼過ぎより更に若者が増えています。年のせいで混雑&若者がとっても苦手となりましたが、よりにもよって、この日は、ミナミへ行かねばなりません。しかも、苦手中の苦手の西心斎橋界隈へ・・・この日は、学会とも医師会とも関係ない、メーカー企業とも関係ない、個人的に始めたネット上の勉強会の第1回オフミーティングです。場所は、美味しい料理とお酒をいただきながら、うだうだと話をするという勉強会の大きな目的のひとつを達成する為に、チョイスしたミナミの小料理屋さんです。料理はイマイチでしたが、メンバーは皆、とってもいい人ばかりで、理想的なオフミとなりました。皆、いい感じで年を重ねていますね。お疲れ様でした&集まってくれてありがとう。特に、遠方よりはるばる参加していただいたK女史、お疲れ様でした。涼しくなったら、第二回をしましょうね。
by takeuchi-ganka | 2007-08-06 08:33 | 学会報告 | Comments(0)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka