第61回日本臨床眼科学会-2

ランチョンセミナー

 部屋を移動するのが面倒なので、そのままアネックス2のランチョンへ。と言っても、今回は、整理券がいるらしく、面倒ですが、メインホール前までとりに行きました。どうせ並ばんとあかんのに・・・
ただ、このランチョンは、弁当もらえて、勉強もできる素敵なシステムなので、必ず活用しております。今回は、何故かニデックへ

 外眼部感染症―危ない症例、手強い症例  鈴木  崇 先生 (鷹の子病院)
1、淋菌性結膜炎
重症化すると予後不良。診断・治療も一刻を争う。
①産道感染による新生児の膿漏眼
②大人の性行為感染症
このふたつが有名ですが、提示症例は、子供だったので、①でも②でもない。親が保菌者で、濃厚な接触のある親子間なので感染したケースです。診察医が、淋菌感染をちらっと疑っても、根拠もなく、親に向かって、あなた淋菌に感染していませんか?とは、なかなか聞きにくいので、診断が遅れがちです。この症例は、危機一髪助かったようですが・・・。特徴は、眼瞼腫脹とクリーム状眼脂。
治療としては、今や最も一般的になっているニューキノロンは、なんと全て無効なんです。入手できる点眼で、効果が期待できるのは、ベストロンのみ。勿論毎時点眼。後は、セフトリアキソン(CTRX:ロセフィン)の点滴。

2、アカントアメーバ角膜炎
まだ見たことないですが、超有名なコンタクトレンズ関連角膜炎。初期の診断は、難しく、遅れると重症化する。
特徴:多発する角膜上皮下の浸潤、放射状角膜神経炎、偽樹枝状角膜炎
  ※ケアの状況が酷い、汚い・・・ことが多い。使い捨てを長期に使う、長時間装用し、擦り荒いせず、レンズケース交換なし、洗浄液は、いつも継ぎ足し・・・こんな人に多いのが特徴。 
  ※疑ったら、コンタクト中止して、経過観察。不変・増悪してきたら、擦過物の塗沫・培養。
  ※診断がついたら、抗真菌剤。

3、感染性角膜炎:提示症例は、緑膿菌
  提示症例は、典型例の輪状膿瘍じゃなく、円形じゃないが、不整形の浸潤病巣。ブ菌なら、円形で角膜浮腫も軽いが、症例は、全体に強い浮腫が。やはり、擦過して、塗沫・培養
  緑膿菌とわかれば、ニューキノロン、トブラマイシンの毎時点眼。
  緑膿菌の場合、ランチョン主催のニデックのトスフロがニューキノロンの中では、一番有効。AG系は、最近使う機会が少ないですが、この為にも1剤は用意しておかないと。


治療抵抗性の角膜炎および結膜炎 外園 千恵 先生 (京都府立医科大学)

1、MRSA眼感染症

感染ルート・患者背景
第61回日本臨床眼科学会-2_f0088231_20253924.jpg










眼表面の常在菌には、
 表皮ブ菌(CNS)、コリネバクテリウム、Pアクネス、黄色ブ菌、レンサ球菌などがあるが、
高齢になればなるほど、CNS、MRSA、MSSAが増えてくる。
更に、
Compromised host:寝たきり・高齢・癌患者
Compromised eye:抗菌剤・ステロイドの長期点眼、瘢痕性角結膜上皮症・角膜移植後
こんなケースでは、MRSA角膜炎が生じやすい。一応ブ菌の特徴を備えていて、類円形・限局で、表在性。非病巣部がきれい。こんな場合、バンコマイシン軟膏が非常に有効らしいが、自作する必要がある。

治療
市販薬(通常は、これしかないのですが・・・)
  ・感受性のある抗菌剤点眼
    クロラムフェニコール点眼
  ・フルオロキノロン点眼
    頻回点眼で、高濃度を維持すれば、効果が期待できる?
自家調整
  ・バンコマイシン点眼・軟膏
  ・アルベカシン点眼
  ・ミノサイクリン軟膏など

MRSA , MRCNSの薬剤感受性
市販薬点眼あり
クラビット 35.8%、サルペリン0%、ベストロン0%、エリスロマイシン 25.8%、クロラムフェニコール87.1%
バンコマイシン100%、アルベカシン100%

つまり、市販薬点眼を組み合わせても、結構何とかなる(90%以上?)。これで駄目なら、或いは緊急性が高ければ、バンコマイシンなどを使えばいい。ただ、自家調整薬というのは、上皮毒性、アレルギーなど副作用が強いので要注意。


※演者は、最近薬剤部に沢山作ってもらっているようですが、以前、あたらしい眼科17(臨増):46~48,2000に、下記のような作成方法を書いておられました。
①VCM 静注用バイアル(粉末500 mg)に生理食塩水を1.5~2 ml 注入して溶解する。(暖めないと溶解しにくい!)②タリビット眼軟膏を少量ずつ注入し,硝子棒で混和する。③ほぼ均一になったら、さらに少量の眼軟膏を入れて混ぜるという操作をくり返す。(この時も、少し暖める。)④タリビット眼軟膏を3本使えば5%バンコマイシン軟膏ができる。④滅菌ディスポーザブル遠沈管15 ml の蓋を代用してバイアル瓶に蓋をする。


2、コリネバクテリウム角膜感染症
 こんなこともあるらしい?
コリネバクテリウムの薬剤感受性
市販薬点眼あり
クラビット 31%、サルペリン89%、ベストロン91%、エリスロマイシン 35%、クロラムフェニコール55%
バンコマイシン100%、アルベカシン95%
意外と、ニューキノロンが駄目で、ベストロンが有効のようです。


ウイルス性疾患 井上 幸次 先生 (鳥取大学)
 珍しいウイルス性疾患ばかりを紹介・・

1、無疹性帯状疱疹 zoster sine herpete 皮疹を伴わないVZV角膜炎・虹彩炎
   診断
  1、ウイルスの証明(PCR)
  2、神経痛の確認
  3、虹彩萎縮の確認
    虹彩炎の特徴
     ・デスメ膜皺襞
     ・部分的な虹彩萎縮(でも、あとでわかることが多いのでは・・・?)
     ・眼圧上昇
     ・色素性KP

2、帯状単純疱疹 zosteriform simplex
  範囲が帯状疱疹。アトピー患者に多い。きれいに治る。

3、Varicella keratitis
  水痘罹患後に発症
  小児、片眼、混濁、ステロイドで軽快

4、Recurrent VZV keratitis
   再発することもあるらしい・・

5、角膜内皮炎
  前房に軽微な炎症、角膜実質・上皮浮腫にKPを伴う。Limbitisやtrabeculitis なら眼圧上昇も。
  HSV,VZV,mumpsなどが原因
  非常に稀。
by takeuchi-ganka | 2007-10-14 20:26 | 緑内障 | Comments(0)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka
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