原発閉塞隅角緑内障 その2
2007年 11月 27日
原発閉塞隅角緑内障の発症要因についての私見を少し・・・
1、原発閉塞隅角緑内障の基本的要因:解剖学的アンバランス
+α要因として
2、チン小体の脆弱性(水晶体の位置の動揺)
3、虹彩根部の形状(プラトー虹彩)
4、加齢性変化(水晶体厚の増加)
5、虹彩裏面・水晶体前面の性状?
5は個人的な空想(妄想?)ですが、2~4は推測ですが、恐らく真実で、これらが様々な程度で、その発症に関わっているのだと思います。(※左右の前房深度に大きな差がある場合は、2の要因が強い可能性があります。)基本的要因の程度とプラスα要因の種類と程度によって、原発閉塞隅角緑内障は、
狭隅角に留まるもの
急性発作
慢性型
慢性型から急性発作
急性発作の自然寛解から慢性型
軽い発作を繰り返しながら慢性型へ
・・・・などバラエティーに富んだ病状を示すのだと思います。
※非常に大切なことを忘れていましたが、当然のことながら、発症の引き金として、瞳孔径があります。眼科医なら、散瞳剤による急性発作を経験した人は少なくないと思いますが、世の中には、様々な散瞳要因があり、この散瞳の程度によって、瞳孔ブロックは増強されますので、これが引き金となって急性発作に至ることはある訳です。
散瞳要因
1、薬物
下記の表にある非常に多く薬(記載してあるのは、ごく一部)に、抗コリン作用や交感神経刺激作用があり、弱い散瞳作用を有する為、閉塞隅角緑内障に禁忌・慎重投与とされていますが、ポピュラーな薬も多いと思います。これらが、原発閉塞隅角緑内障の基本的要因を有する眼に投与された場合どうなるでしょう?
以前にブログで触れたと思うのですが、レーザー虹彩切開術を躊躇うことなくできた時代は、原発閉塞隅角緑内障と診断されている眼、或いは、原発閉塞隅角緑内障を発症する危険性が高い眼は、既にレーザー虹彩切開術されていることが殆どですから、どのような眼であれ、正しく緑内障の診断がついている眼は、基本的には、これら禁忌薬剤は投与OKなんです。何か、矛盾がありますが、緑内障禁忌薬剤は、緑内障には、投与OKで、問題なのは、眼科医のスクリーニングを受けていない眼なのです。この中には、全く自覚症状がなくても、原発閉塞隅角緑内障の基本的要因やプラスα要因も持っている眼も含まれる訳で、運悪く、そのような眼に緑内障禁忌剤が投与されたら、最後の一押しとなり、緑内障発症となるかもしれません。
表の最後に散瞳剤の点眼がありますが、ベテランの眼科医でさえ、浅前房だが、原発閉塞隅角症(緑内障)をまだ発症していない眼を散瞳しても大丈夫かどうかの判断は難しいものがあります。ましてや、眼科医以外が、緑内障禁忌・慎重投与薬剤の是非を判断することは不可能でしょう。原則を振り回せば、そのような薬剤投与の必要性があれば、必ず眼科医にコンサルトする必要があると思います。

2、感情?
瞳孔径は、副交感神経支配の瞳孔括約筋と、交感神経支配の瞳孔散大筋のバランスで決まります。前述の薬剤もここに作用するから問題になる訳です。薬剤でなくても、交感神経優位になれば瞳孔は開くでしょうし、その逆であれば、閉じる筈です。このような日常の自律神経の状態も、引き金の一つかもしれません。ここまで、気にするのはどうかと思いますが、これが最後の引き金なのかもしれません。但し、これで発作を起こすような危険性の高い眼は、予防的治療が必要なのでしょうが・・・。 (続く)

