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原発閉塞隅角緑内障 その3

再び原発閉塞隅角緑内障について3

  この緑内障を別の角度から眺めましょうか。
  原発閉塞隅角緑内障 その3_f0088231_22593063.jpg原発閉塞隅角緑内障は、瞳孔ブロックが原因で、虹彩が前方へ膨隆し、隅角が閉塞する疾患です。隅角には、線維柱帯があり、隣接して毛様体もあり、このあたりから房水はシュレム管ルートやぶどう膜強膜ルートへと流れてゆきます。たから、隅角が閉塞すれば、どちらのルートも閉ざされます。ただ、水は360度、どこからでも出てゆきますので、隅角が360度閉塞するまでは、なかなか眼圧は上昇しません。
  この隅角の閉塞の仕方には、大きく二通りあります。ひとつは、一気に360度閉塞する急性発作(右の図)。ただし、この閉塞は強くくっついているだけで、原因と取り除けば、全周開放されることもあれば、何%かは、癒着したままということもあります。
  これとは別に、隅角の閉塞(接着じゃなく癒着)が少しずつ広がってゆくタイプがあります(慢性型)。この場合は、癒着の範囲が問題となります。勿論、360度癒着すれば、眼圧は、とんでもなく上昇します。水の出口が何%になったら、眼圧が上昇するかは、個人差があるでしょうが、50%では普通眼圧上昇しません。経験上ですが、20-30%以下でしょうか。10%以下でも大丈夫なことだってあるのです。それほど、水の出口は余裕があるという訳です。
  原発閉塞隅角緑内障 その3_f0088231_2301567.jpg

 実は、ここで問題なのですが、水の出口が100%開いているときは、瞳孔ブロックは強いのですが(左の図)、水の出口の閉塞範囲が広がり、途中から、眼圧が上がり始めると瞳孔ブロック(隅角閉塞を推進する力であり、前房と後房の圧差)は弱まり、隅角閉塞はどこか均衡がとれた場所で、その広がりが止まることになります。だから、慢性型の原発閉塞隅角緑内障を見つけた場合、PASが30%のこともあれば、60%や90%と様々なのです。元々の瞳孔ブロックの強さとPASが原因の眼圧上昇のバランスで、最終的なPAS範囲が決まるのではないでしょうか。
  原発閉塞隅角緑内障の治療は、レーザー虹彩切開術に代表される瞳孔ブロック解除なのですが、この緑内障が慢性的に進行すればするほど(PASの範囲が広くなればなるほど)、瞳孔ブロックは軽くなり、レーザー虹彩切開術の効果が弱くなっていくのです(逆説的ですが・・・・)。
  最近、レーザー虹彩切開術じゃなくて、何でもかんでも白内障手術すればいい・・・という単純な考え方が蔓延していますが、この考え方が支持されるのは、この点においてのみでしょう。そこまで分かった上で白内障手術がいいと言ってくれるなら賛成するのですが、あまりに単純な考え方だと・・・・また、今更言われなくても、関西医大では20年ぐらい前から、PASが広範囲になっている原発閉塞隅角緑内障の治療は、GSL+白内障手術でしたけどね。
by takeuchi-ganka | 2007-11-28 23:04 | 緑内障 | Comments(0)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka