サプリメント

 加齢黄斑変性の発症メカニズムを考えると、抗酸化物質は加齢黄斑変性の予防に有効な気がします。以前自分のブログ内で触れましたが、『網膜の中心部分の黄斑部には、黄斑色素:キサントフィルが存在し、この色素は、強い光障害作用を示す短波長光(青色)をブロックし、更に抗酸化作用を有し、この部位で発生したラジカルを消去する作用があると考えられています。この色素は、日々暴露している光による障害を抑制する効果があり、この色素が少なくなると、加齢黄斑変性発症の危険性が高くなると言われています。黄斑色素は体内で合成されないので、食餌から摂取しなければなりません。ケール(青汁)やほうれん草などの緑黄色野菜に多いく、ルテインを多く摂取する人は、加齢黄斑変性のリスクが少ないことが報告されています。そこで、この黄斑色素をサプリメントとして、摂取することが、本当に加齢黄斑変性の予防に繋がるのかどうかを検証する大規模比較対照研究:AREDS (Age-Related Eye Disease Study 2001)が行われ、ここで、抗酸化物質+亜鉛(AREDS処方:ビタミンC 500mg、ビタミンE 400IU、βカロテン 15mg、酸化亜鉛  80mg、銅2mg)が加齢黄斑変性への進行を抑制することが証明されました。そして、このAREDS処方を日本人向けに調整したものが、・・・・!』となんだか、メーカーのまわし者のような表現で紹介したのです。サプリメントの宣伝文句はいつもそうですが、風が吹けば桶屋が儲かる以上に、信憑性のありそうな理屈があり、なんとなくそんな気にさせられます。そんな気がする上に、大規模な疫学調査が行われ、サプリメントの有効性を信じ込まされてしまいます。特に、AREDSやLAST以降、抗酸化物質の加齢黄斑変性予防の有効性は強く信じられているようです。まあ、私ごときが判断できる問題ではありませんが、大規模スタデイが数多く行われるようになりましたが、これらが、エビデンスレベルの高い、大規模スタデイでなければ、信頼できないことを逆手に取った、大メーカーの利権に寄り添った、バイアスのかかったスタデイでなければいいのですが・・・。そこで、昨年出た『Dietary antioxidants and primary prevention of age related macular degeneration: systematic review and meta-analysis. BMJ 2007;335:755 』を、我々はどうとらえればいいのでしょうか。西欧で行われた研究では、サプリメントを含む食品由来の抗酸化物質のAMD予防における効果を示す十分なエビデンスは得られない。つまり、日本でも意味がない?サプリメントに金かけるよりは、美味しいもの食べた方がいいのでは・・・
※評価の対象となった抗酸化物質は、ビタミンA(3件)、ビタミンC(4件)、ビタミンE(3件)、亜鉛(4件)、ルテインとゼアキサンチン(6件)、αカロチン(4件)、βカロチン(4件)、βクリプトキサンチン(4件)、リコピン(4件)。
※これらのスタデイの中に書いてあることで、ちょっと気になるのは、抗酸化系ビタミンのベータカロチンの錠剤を喫煙者が大量に摂取すると、肺がん罹患の危険性が増大することです。健康に気をつけるなら、サプリメントよりも先に煙草を止めましょう。040.gif
by takeuchi-ganka | 2008-02-01 15:41 | 加齢黄斑変性 | Comments(0)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka
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