中高年パソコン派の為のメガネ講座? その5

 連載の最後は、近近レンズです。この眼鏡のキーワードは、明視域(焦点のあう範囲)です。

 
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 このレンズは、基本的に近用眼鏡です。その2で触れましたが、「65歳で、2.5Dの老眼鏡をかけたら、焦点のあう範囲は33cmから40cmのたった7cm」・・・・・・なのです。正確な数値じゃないですが、これぐらい狭い明視域となると非常に不便を感じますが、近近眼鏡を装用すれば、明視域は少なくとも40~67cmの27cmにまで広がります(HOYA Lecture Aの場合)。Lecture Bを選べば遠方は100cmまで広げることができるのです。
 
 レンズの設計ですが、先ず隠しマークを結ぶ中央線は、累進帯の中にあります。この中央線の下方4mmに近用度数の測定位置があります。もし、+2.50D加入の老眼鏡が必要な人なら、近用度数の測定位置に、遠用度数に+2.50D加入した度数が入ります。そして、ここから上方に向かって20mmの累進帯があり、上方に行くほど加入度数が低くなります。つまり、逆累進をつけているわけです。
  この逆累進度数は、0.75(Add power)、1.00(LectureA)、1.50D(LectureB)と3種類用意されています。逆累進度数が大きくなれば、明視域が広がります。いずれにしても、20mmと十分広い累進帯の中に、0.75~1.0Dの累進度数ですし、通常この眼鏡で動き回ることもないので、歪みを感じることはほとんどない筈です。

中高年パソコン派の為のメガネ講座? その5_f0088231_14224943.jpg


 話は、少し細かくなりますが、この表を見てください。まず、調節力ですが、45歳で、3Dもあった(3Dしかない?)ものが、徐々に減少し、70歳では、ほぼ零になります。それに従って、老眼鏡の加入度数も増加します。仮に、45歳で1D加入だとすると、徐々に増加し、65歳では3D近く必要となります。
  単焦点の老眼鏡を使用した場合、焦点のあう範囲、つまり明視域(単焦点)は、45歳なら75cmもあるので、通常は、近近レンズのお世話になる必要はないのですが、年齢ともに、調節力が低下するのに比例し、明視域も狭くなっていきます。表をみると、

50歳で38cm、 55歳で21cm、 60歳で11cm、 65歳で5cm、 70歳で零?

たぶん、55歳を超えると、この狭さに不便を感じるのではないでしょうか。そこで、近近レンズ:レクチュールAを装用すると、

50歳で171cm、 55歳で71cm、 60歳で38cm、 65歳で21cm、 70歳でも17cm

となります。つまり、65歳でも55歳の明視域が、70歳でも50代後半の明視域が得られるのです。レクチュールBを使用すれば、更に明視域が広がります。この広さこそが、近近レンズのアドバンテージです。老眼鏡をかけた時に、デスクの上にある本やパソコン画面だけにしか焦点の合わない単焦点眼鏡と、デスク全体があるいは、デスクのもう少し先まで焦点があう近近眼鏡では、その快適性は大きく違う筈です。特にそのアドバンテージは、高齢者ほど高くなるのです。
  中高年パソコン派の皆さん、まだ50代なら、いいかもしれませんが、60歳を越えるようだと、さすがに単焦点では辛い。お肌の曲がり角は25歳、まなこの曲がり角は45歳と言いましたが、最後の曲がり角が60歳ぐらいにあるような気がします。

 この近近レンズの長所をもうひとつだけ説明して、この講座を終わりにします。まだ続く。
by takeuchi-ganka | 2008-03-01 14:23 | 眼鏡 | Comments(0)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka
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