再びカラーコンタクトレンズについて(290)

  以前も書きましたが(http://takeganka.exblog.jp/6736655)、腹立たしいので、もう一度書きます。あまり国民の立場に立って仕事をしているとは感じられない厚労省ですが、やっと、カラーコンタクトレンズの販売規制に乗り出したようです(http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080710-OYT1T00712.htm)。だいたい、こんなもの売っているのがおかしい・・・普通のコンタクトレンズを我々が販売する場合と比べてみましょうか。
我々は、通常の診察をして、近視・遠視・乱視などの屈折異常があり、それがコンタクトレンズで矯正されることが確認されたら、他に眼疾患がないかチェックし、特に結膜・角膜などがコンタクトレンズを装用して問題がないか判断します。
 ついで、患者さんの希望を聞きながら、コンタクトレンズの種類を決定し、実際に装用してもらって、問題なく装用できて、良好な視力が出ることを確認します。
更に、コンタクトレンズの『はめ外し』がひとりで確実にできるまで練習し、洗浄・保存の方法を説明し、やっとコンタクトレンズを渡すことになります。初めての人の場合は、1-2週間試しに使ってもらい、問題がないかテスト期間を設けます。その後本格装用開始となります。その後も、通常3か月に一度、定期検査を行い、異常があれば、装用を中止し治療します。
 カラーコンタクトは、どうでしょう。やってみたいと思ったら、ネットか量販店で購入して装用する。たぶんそれだけ?しかも、レンズそのものの品質は非常に怪しい。装用時間も・装用期間も、いい加減。コンタクトレンズは、洗浄しないか、しても適当で、保存状態は不衛生。充血しても、キズがあっても、市販の役に立たないメグスリをさすだけ。勿論定期検査なんか受けない。これでは、わざわざ角膜を病気にしようとしているようなものと思っていました。
 国は、高品質の真っ当なコンタクトレンズを我々が患者さんに提供する場合でも、面倒な制約をいくつも設けているというのに、カラーコンタクトの販売実態は、あまりに酷いと、眼科医は警告を発してきましたが、やっと規制の動きです。あまりに遅すぎると思いますが・・・。
要するに、通常のコンタクトレンズと全く同じ品質基準を要求し、販売管理も全く同じように行う必要があるのです・・・・・というか、 こんなもの売ったらあかん。
by takeuchi-ganka | 2008-07-11 14:22 | 近視・遠視 | Comments(0)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka
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