塩化ベンザルコニウムについて その2 (312)
2008年 10月 18日
200μg/mL 0.2%
20μg/mL 0.02% キサラタン
15~16μg/mL 0.015-0.016% レスキュラ(米国)、トラバタン(米国)
10μg/mL 0.01% ベトプティック、エイゾプト、チモプトール(米国)
5μg/mL 0.005% トルソプト、レスキュラ、ミケラン、チモプトール、デタントール
2μg/mL 0.002% ハイパジール
1μg/mL 0.001% リズモンTG
零μg/mL チマバック、ブロキレートPF、ニプラジロールPF、ニプラジロール
Sofzia system トラバタンズ
この物質は、細菌の感染を防ぎ、殺菌・消毒を行ないます。グラム陽性菌、グラム陰性菌、多くの真菌に有効で、防腐剤として点眼薬に含まれます。日本の点眼BAC濃度25~200μg/mLだそうで、50μg/mL未満が32%、100μg/mL未満が54% (アメリカでは20%)だそうです。日本のBAC濃度はかなり低めに設定されています。
12.5μg/mL以下で有効なグラム陽性菌、50μg/mL以上必要なグラム陰性菌もあるでしょうが、通常問題となるCNS、MRSAは、かなり低濃度(<10μg/mL)で有効なようです。通常、50μg/mLもあれば十分でしょうdが、全ての臨床分離株に有効であろうとすれば、200μg/mL以上必要で、現実問題としては、最も重要なターゲットのみ(CNS,MRSA)を考慮し、12.5や25でも十分というのが結論のようです。
最近特に問題視される緑内障点眼に含まれるBAC濃度を見てみますと、5-10 μg/mLの点眼が多いようです。特殊な点眼瓶を開発し、防腐剤フリーを実現したメーカーが3社あり、新しい防腐システムでBACフリーにした点眼もありますが、1μg/mLや2μg/mLの点眼もあります。この濃度はどうなんでしょう?欧米の点眼と比べると、異常に低い?素人判断ですが、数値だけみれば、本当にこの濃度で大丈夫なのかと若干心配になります。点眼が、メーカーが想定しているような使い方をされている限りは問題ないのでしょうが、想定外の不衛生な使い方(想像を絶することもある?)、通常なら数週間で使い切られる筈の点眼が、低いcomplianceのもとに長期にわたって使われたりしても、その安全性は担保されているのでしょうか。
BACは防腐剤としての機能以外にも、薬剤を溶かしたり、角膜を通過させたりする役目も担っています。勿論BACが防腐剤としての作用機序から判断しても、眼表面の角膜・結膜上皮にダメージを与えるのは当然です。ただ我々眼科医は、他科の医師と違い、日々の診察で、眼表面に障害は発生していないかチェックしつつ、全ての点眼を処方しているのです。危険だと判断すれば、減らすか、中止すればいい訳です。しかも危険な状態というのは、それほど多くはなく、BACフリー点眼にアドバンテージがあるのは変わりないでしょうが、濃度にこだわり過ぎるのも問題ではないでしょうか。
点眼液の防腐剤としての塩化ベンザルコニウムの抗菌力についての検討
医療薬学(1346-342X)29巻3号 Page341-345(2003.06)
佐治守(日本医科大学千葉北総病院 薬剤科)

