アレルウォッチ 涙液IgE (320)

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アレルウォッチ 涙液IgE・・・という名の、アレルギー性結膜炎迅速診断検査キット発売されました。患者さんから採取した涙液で、10分ほどで、涙液中のIgEをチェックするのです。このキットの有用性は、これから一般臨床家がどの程度使用するかを見ていれば判断できると思いますが、我々が、一つ新しい手段を手に入れたことだけは確かです。
 眼科では、その診断は主として臨床所見からのみ行うことが多く、それ以外の検査手段としては、
1)結膜での1型アレルギー反応の証明の為
①結膜を擦過して検体を採取して、好酸球の浸潤を証明する。
②点眼誘発試験:疑わしい抗原を点眼してアレルギー反応が誘発されるかどうか確認する。
2)全身検査での特異的IgEの証明
①皮膚テスト:皮膚を擦過し、診断用のスクラッチエキスを滴下し、皮膚の反応を見る。
②血清抗原特異的IgE測定法

などが教科書に記載されていますが、検査が煩雑であったり、高価な割に役立たずであったり、眼科一般臨床においては、ほとんど行われていなかったのではないでしょうか。宣伝ではないですが、このアレルウォッチは、シルマー試験の容量で、涙液を採取して、10分待てばいい。抗原の特定はできませんが、前述の検査と違い、初めて採用する気になりました。
 ただ、通常、アレルギー性結膜炎、特に花粉症は、その症状から容易に診断できます。スギ花粉であれば3月でしょうし、ヒノキは4月、5月にはイネ科、9月にキク科とほぼ決まっています。この花粉飛散状況に応じて症状が出てくれば、あとは、よほど非典型的な所見でもないかぎり、診断に苦慮することはありません。また、アトピー性皮膚炎にともなう場合も、春季カタルも見れば明らかで、このキットの世話になることはないでしょうか。
 アレルギー性結膜炎の診断に苦慮する場合とは・・・・? 通年性アレルギー性結膜炎で、臨床所見に乏しい場合、他の感染性結膜炎(細菌・ウイルス)との鑑別が困難な場合あたりでしょうか。もし、このキットの陽性率が90%以上あれば、陽性であればほぼ診断確定し、陰性であれば否定できるのですが、陽性率が60%程度だったら、臨床診断も迷っているのに、検査結果にも、それほど大きな信頼が置けなくて、結果迷ったまま・・・・。 でも、感染性結膜炎と判断し、抗菌剤にステロイドを併用して処方した場合(多いですが・・)、ステロイドが効いてアレルギー性結膜炎であっても、症状は軽快してしまう可能性が高いのでは。つまり、陽性に出たら、アレルギー性結膜炎に間違いないので、抗アレルギー剤を処方し、陰性に出た場合は、感染性と判断し、ステロイドと抗菌剤を出しておけば、あまり問題ない? ただ、迷った場合のみにしておかないと、臨床診断が明らかなアレルギー性結膜炎で、陰性に出たら、逆に迷ってしまうし、結局は抗アレルギー剤点眼処方なので、無駄な検査になるかも・・。 全て、憶測ですので、実際に多くの臨床家が使ってみないと答えはでない。この新しい検査手法がどのようなポジションに落ち着くのかは、もう少し時間がかかりそうです。
 
by takeuchi-ganka | 2008-11-27 17:16 | 結膜炎 | Comments(0)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka
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