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GCLの菲薄化が将来の視野進行を予測できるか・・・(1358)


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もう散歩もできなくなってしまいました^^;

緑内障学会の一般口演で、GCLの菲薄化が将来の視野進行を予測できるか・・・というような発表を聴いた。もし、全く予測できないなら、何のためにOCTしているのか・・ということになる。ただ、仮に、GCLの厚みが100%の状態から、徐々に減少して、60%を切って初めて視野変化が出るとしても、その後どれくらいの時間で視野異常が出てくるかは、対象症例の観察開始時の厚みが何%だったのかによって異なるのだと思う。70%なら10%減で視野変化(+)となるだろうし、100%なら30%減でも視野異常(-)だろうし、その10%減や30%減に要する時間もまた症例ごとに異なるだろう。対象症例のGCLの厚みを揃えて、例えば80%の状態から、毎年1μm減少なら最初に視野異常が検出されるまで10年かかるとか、毎年3μm減少なら3年もかからないとか・・・がわかってくると、次の手段を早めにチョイスできる・・・ような気がする。

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OCTと視野の経時的変化を見ながら治療していると、視野は安定しているものの、OCTが悪化している場合がよくある。




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この症例は、下方視野がゆっくりと悪化しているが、OCTcpRNFLの評価は、上方のダメージが強いものの(赤い部分)、あまりさらなる悪化はなく、悪化しているの(差分表示の緑・青)は、下方のダメージの軽い方だ。視野だけ見ていると下方に鼻側階段があるが、安定している緑内障ということになるが、OCTだけ見ていると上方の前視野的変化が比較的速い速度で進行しているとも言える。このままだと、障害の軽いはずの下方の神経線維の障害が上方の神経線維の障害を追い越すので、精一杯の治療が必要との判断になる。もっとも、このケースでは、ベースライン眼圧15ぐらいから治療開始したが、OCTによる緑内障進行を確認後、点眼2成分に増やして10ぐらいまで下降しているので、これ以上の眼圧下降は難しいけれど・・

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※ここで、OCT解析から将来の視野予測だが、この症例の下方神経線維の量が上方の神経線維の量に追いつく頃、つまり80μm以下になると視野異常が検出されるとすると、あと数年で視野異常がでると予想される。だからといって、10近くまで下降した眼圧を、更に点眼を追加しても、なかなか一桁にはならないだろうし、この段階で濾過手術まで、して一桁に下げると、失うものも大きいような気がして、積極的にすすめる気にはなれない。もちろん白内障が出てきたら、同時手術をすすめるけど。 



# by takeuchi-ganka | 2025-11-04 18:02 | Comments(0)

緑内障治療強化のタイミングとは (1357)

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安倍さんとのツーショットを彷彿させる写真
(高市早苗さんのXから拝借)

緑内障学会の一般講演を聴いていて、緑内障をエイベリスで治療開始して、治療を強化した時、何がきっかけとなったのか、何に変更したのか・・というような発表があった。まあ、きっかけは、眼圧下降不十分だから、或いは視野が悪化したからが殆どで、変更する場合は、ラタノプロストへ。追加する場合は、カルテオロールLAが多かったようです。このある点眼で治療している時に、どんな時に点眼を強化しているのか考えてみた。

緑内障治療の目的は、その進行を抑えることなのだが、進行を抑えることができているのかどうかを知るには、まず進行速度を知らないといけない。進行速度の判定は、皆さんどうしているのでしょうか。

OCTで判定する場合、経時的なcpRNFLの減少速度と②GCLの減少速度で、視野ならMDスロープ(或いはVFIスロープ)か④測定点毎の比較になるだろうか。①や②は再現性のあるデータが取れたら、比較的短期間でその速度が把握可能だと思うが、③④は時間がかかるし、判定困難なケースも多いと思う。また、初期の緑内障の場合は、①②が圧倒的に有利だが、進行してしまうと、③④が有利になる。よほど眼圧が高くない限り、初期の緑内障こそ、点眼治療で頑張ることが多いので、③④を待たず、①②で判断して、その進行速度が早ければ、積極的に強化すべきだと思っている。眼圧下降が十分か不十分かの判断は、もちろん一般的な目標眼圧達成の有無もあるだろうが、その緑内障の進行速度(①②)で判断してもいいと思う。

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ある程度進行しているが、現在はゆるかやな進行
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軽症だがやや進行速度が速い
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結構進行速度速く、治療強化が必要







# by takeuchi-ganka | 2025-10-29 18:11 | Comments(0)

第468回大阪眼科集談会 その2(1356)

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スターバックスとかドトールとかではなく、たまたま梅田で入った昔ながらの喫茶店。
懐かしい感じがして、良かったけどもうないのかも・・


5,網膜色素変性にTerson症候群を合併し黄斑浮腫を生じた1例(大阪医薬大)

47歳男性。1年前に難聴(+)(不幸にも中国で)。コロナ騒動で帰国できず、やっと帰国になったら、空港で意識消失、救急搬送。聴神経腫瘍による水頭症で、SAH発症して脳室ドレナージ。その後やっと帰国。夜盲、視野異常、右眼霧視があったので、眼科受診して、網膜色素変性症とテルソン症候群と診断。そしてCMEも。カジリノゲナーゼとトルソプト点眼で改善

報告例はないが、テルソン症候群がCME発症を誘発?(もともとあったのかもしれない・・)

6,両眼視神経乳頭浮腫を契機に発見された脳静脈洞血栓症の1例(大阪公大)

脳静脈洞血栓症の症状⇒教科書的には、『主な症状は、進行性かつ持続的な頭痛や吐き気、嘔吐に加え、意識障害や痙攣、麻痺など多彩な神経症状』 ただ、診断はなかなか困難らしい。視神経乳頭浮腫があり、脳圧亢進が疑われても・・

43歳男性。左眼霧視。頭位変更時の視力障害あり眼科へ。視力良好だが、両眼視神経乳頭浮腫(+)。脳外科で確定診断・治療まで時間がかかり、最後には腰椎-腹腔シャントを受けたが、3ヶ月後には左眼は不可逆的視力障害に。

7,眼瞼下垂に対する上眼瞼挙筋短縮術後の角膜上皮障害についての検討(大阪大)

要するに、術前に眼瞼が下がっていて(MRD-1が短い)、あまり自分では挙上することができず(眼瞼挙筋機能低下)、また元々ドライアイ(BUT短縮)があれば、術後ドライアイが明らかになる・・・。まあ当たり前とも言えるが、これを数値化:MRD-12.5mm以上改善、術前眼瞼挙筋機能8mm以下、術前BUT5秒未満の症例は、危険。ハイリスク群には、手心を加えるのだろう・・

元々ドライアイがある眼の鼻涙管閉塞を治したら、ドライアイが顕性化するのに、ちょっと似ているかな。

8,涙小管近傍皮膚切開による涙小管造袋術(オキュロフェイシャルクリニック大阪)

あまり聞いたことのない手術だったが、『涙小管造袋術は、涙小管の閉塞や狭窄が高度で通常の再開通処置(涙小管形成術など)では涙の流れを確保できない場合に行われる涙道再建術の一種』らしい。今回は、涙点が見えない(見つからない)場合の涙小管造袋術。導涙機能に重要なホルネル筋を損傷しないように瞼縁を水平に切開して、ちくわのような涙小管を見つけたら、断端を瞼縁に固定する。元々は、ドライアイの手術として行われた手技の応用?


# by takeuchi-ganka | 2025-10-24 18:41 | Comments(0)

第468回大阪眼科集談会 その1(1355)

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漫画でもありえないような活躍。6回無失点10奪三振。100マイルの剛速球に、エグいスイーパーと消える魔球(スプリット)。投球終えると急いで準備して、先頭打者ホームラン(恐怖の弾丸ライナー)、その後も、場外に消える超特大ホームラン、最後がバックスクリーン左奥へのホームラン。そして、地区優勝を決めてしまってMVP。規格外、ベーブ・ルース超え、宇宙人・・・もう言葉が見つからない素敵な大谷くんでした。


1,大阪医科薬科大学病院ロービジョン外来における福祉支援との連携について検討(大阪医薬大)

ひとつの病院のロービジョン外来の試みとしては、立派な試みだと思うのだが、 ロービジョン外来での福祉支援を必要としている患者さんの数は膨大で、現実には、その中のほんの一部の人だけが、ロービジョン外来に辿り着いているような気がしています。例えば、網膜色素変性症にしても、加齢黄斑変性にしても、末期の緑内障にしても、全員がとっても困っていて、何らかの福祉支援を必要としていますが、全員をロービジョン外来に紹介したら、パンクしてしまうやろなあ・・・

2、抗AQP4抗体陽性の梅毒性両眼視神経乳頭炎の1例(大阪公大)

まず、梅毒の患者さんが増えている社会背景あり(ここが一番のネック)。患者は51歳男性(日系欧米人)。性交渉で梅毒に罹患した後、比較的短期間で両眼のかすみ、視神経乳頭腫脹。ただ、梅毒の検査STSTP抗体、TP抗原陽性とともに、抗AQP4陽性。髄液もTP陽性で神経梅毒。梅毒のステージとしては、第1期、第2期で生じた早期神経梅毒。

ペニシリン治療で改善。抗AQP4抗体陽性はたまたまなのか。偽陽性の可能性はないのか・・。両眼のかすみの自覚はあったが、視力・視野ほぼ異常ないが、それでも梅毒による視神経炎だっただろうか。ステロイドを使うことなく、梅毒による治療で改善したので、早期神経梅毒による視神経炎と判断。

3,有痛性眼筋麻痺をきたした慢性炎症性脱髄性多発神経炎の1例(大阪大)

30歳女性で、両下肢しびれ、筋力低下があり、慢性炎症性脱髄性多発根神経炎(CIDP)と診断されている。またまた初耳病名だが・・^^; そこに左眼痛と複視。

⇒『慢性炎症性脱髄性多発根神経炎(CIDP)は、手足の運動や感覚をつかさどる末梢神経に原因不明の炎症が起こり、運動機能の障害(手足に力が入らない、物をうまくつかめない、歩きづらいなど)や感覚障害(手足がしびれる、熱さや冷たさを感じないなど)が起きる病気です。』・・・・・・掴み所がない疾患。

CIDPで治療中(プレドニン4mg内服)の患者さんが、左の眼痛と複視(外方運動制限)。他に原因なさそうで、CIDPが原因と考えてステロイドパルスして改善へ。

4, 光干渉断層計による初期病変捕捉が有用であった原発性硝子体網膜リンパ腫の1例(関西医大)

82歳女性。1ヶ月前から左眼の霧視。OCTRPEの波状所見。RPE rippling?

この論文を参考にするなら、今回の症例は、左側のsub-RPE lymphomatous lesionsかな。最も多いタイプ。当初、炎症性疾患を疑われステロイドを投与したら消退したが1年ほどして、来院されると、病巣は拡大し、右側のintraretinal lymphomatous lesionsに。硝子体にも炎症波及。広範囲に渡る黄白色病変+硝子体混濁。原発性硝子体網膜リンパ腫かサイトメガロウイルス網膜炎と判断。前房内ウイルス(-)、ガンシクロビル無効。最終的に、網膜下白色病変を生検して、PVRLの診断。MTX硝子体注射で寛解。つまり、もしsub-RPE lymphomatous lesions』の段階で、確定診断できてMTX硝子体注射できていたら、視機能を守れる可能性があるかも・・


# by takeuchi-ganka | 2025-10-20 10:21 | Comments(0)

塗抹鏡検 その2 (1354)

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眼科始めて40年を過ぎているのだが、今頃、塗抹鏡検がマイブーム。かなり面白い。我々開業医は、あらゆる疾患に対応しないと行けない。長年緑内障に興味をもって自分なりに勉強してきたが、特に下町の開業医にとっては、ありふれた結膜炎に適切に対応することも非常に大切なのです。細菌性、ウイルス性、そしてアレルギー性結膜炎。様々な患者さんが、様々な愁訴・所見を見せてくれます。流石に40年もやってると、これらの区別は診たらわかります・・・と思っていたが、専門家にそうでもないよ・・と言われ、気になって始めた塗抹鏡検。まだまだ初心者なので、ディフ・クイック染色・グラム染色・ハンセル染色の3種類しか用意していないし、いくら暇な当院でも、色々やっていると診療が滞るので、全部自分でやるとなると、これが限界かもしれない。好中球が見えたと喜んだところから始まり、あっリンパ球だらけや・・と驚き、こんなに好酸球がうじゃうじゃ出てきてると感心しているのが現状だが、それでも結構楽しめる。

 教科書に出てくるような典型的結膜炎なら、専門家がそうは言うものの、殆どの場合、診断治療に苦労することはないと思うのだが(今後出てくるかもしれませんが・・・)、これは一体どのタイプの結膜炎なのだろうと悩む疾患も当然ある訳で、そんな時、ちょっと結膜をぬぐって塗布してみて、好中球だらけだったり、リンパ球メインだったり・・という結果が予想外のケースがある。これは、結膜炎を診た時、感染なのか非感染なのか・・なんて悩みを解決する大きな力になるし、俄に沸き起こったマイブームに火をつけてくれる。皮膚科の先生には笑われるだろうが、しばらく、経験を蓄積して、不足していた対応能力を補いたいと思う。

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ありふれた好中球だらけ・・
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春季カタルなので好酸球がいっぱい
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ハンセル染色してみたら・・



# by takeuchi-ganka | 2025-10-10 16:52 | Comments(0)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka