第467回 大阪眼科集談会 その3(1353)
2025年 09月 17日

もう15年ほど前の写真。まだ50代の師匠が大目玉を食らってしまった(^^)
9 網膜中心静脈閉塞症に併発した網膜血管剥離症が原因であった硝子体出血の1例
○林 真衣、平山公美子、山本 学、本田茂(大阪公大)
65歳女性のCRVO(下方のRVOの方が閉塞強い)。半年近く経過して、鼻側の白線化した血管が牽引剥離され、それが原因と思われる硝子体出血(+)。出血繰り返したので、硝子体手術へ。本来は、剥離した血管を温存するほうがいいらしい・・・・
10 広範囲の網膜虚血を認めた、サイトメガロウイルス網膜炎の一例
○大谷恵里佳、小林崇俊、大須賀 翔、水野博史、茶木俊光、延藤綾香、喜田照代(大阪医薬大)
57歳男性。多発性骨髄腫で加療中、右眼ぶどう膜炎発症。前眼部は軽度虹彩炎だが、眼底はCMVR。白色顆粒状病変、白線化した血管、高度のCME。CD4陽性細胞も低値(免疫能低下)。虹彩炎も悪化し、前房水からもCMV大量に検出された。バルガンシクロビル内服、ガンシクロビル点眼✕6開始、ガンシクロビル硝子体注射も行い、角膜きれいになったが、眼圧上昇し、CMEは更に高度となり、FAで非常に広範囲に無血管野確認され、虹彩新生血管も。入院して、ガンシクロビル点滴、アフリベルセプト硝子体注射で、CME軽減したが、硝子体混濁で、十分なPRPができないから(?)、ビトレクトミーしてPRP後SO入れて終了。要するに、ガンシクロビルを点滴・点眼でしっかり入れつつ、混濁した硝子体を切除し、十分な光凝固が行えて初めて病勢を止めることができた感じ。
※急性網膜壊死(ARN)とは異なり、結果として広範囲に網膜虚血を伴うサイトメガロウイルス網膜炎(CMVR)は、慢性網膜壊死(CRN)と呼ばれているらしい・・・・。ARNなら数日だが、CRNは1ヶ月近くかけて虚血が進行?
11 左斜台部腫瘍が原因と考えられた再発内斜視の一例
○中本和宏、森本 壮、河本 晋平、藤野貴啓、下條裕史、岩﨑莉佳子、北口善之、西田幸二(大阪大)
40歳女性。
36歳で複視(+)。脳神経内科受診、MRI異常(-)。
→ その後内斜視、プリズム眼鏡処方、内斜視悪化、手術目的で紹介。45-50⊿ET(近)、50⊿ET(遠)。左眼8mmの前後転。術後も複視(+)、プリズム眼鏡。
→ 2年経過して内斜視悪化。右眼に7mmの前後転術。その後も内斜視悪化して、外転障害
→ 左斜台部に腫瘍(髄膜腫)(+)。これによる外転神経麻痺。
※初診される前の脳神経内科でのMRIでは斜台部腫瘍(-)
※恥ずかしながら、斜台部というのは、初めて聞いた用語。
『斜台腫瘍とは、頭蓋骨の底にある「斜台」という骨にできる腫瘍のことです。主に脊索腫や軟骨肉腫などの悪性腫瘍が多く、複視(物が二重に見える)などの症状を引き起こすことがあります。』
最初から、腫瘍が原因だった可能性はあるが、最初のMRIでは、何もうつってない。髄膜腫は年間2-3mmのゆっくりとした増大速度なので、初回のMRIではほぼ見えなくても仕方ない・・・。
※斜視に詳しくないが、36歳で内斜視が悪化して、手術するも更に悪化して再手術・・って結果は、レアではないのか?こんな場合、外転神経障害を想定することは一般的ではないのだろうか?
12 ワニの涙症候群に対して涙腺切除を施行した2例
○佐藤陽平、藤田恭史、相川美和(大阪市)、鹿嶋友敬(東京都)、中村聡(明石市)、南 愛(豊中市)
たまに遭遇するが、手術的介入があるとは知らなかった。顔面神経損傷後の回復過程で、唾液腺へと向かう筈の副交感神経が誤って涙腺へ向かってしまったのが原因の疾患。治療として、ここでもボトックスが行われているらしい。誤って再生した副交感神経(コリン作動性ニューロン)を除去するのが目的だが、複数回必要だったり、眼瞼下垂が生じたりするので、今回の発表は、眼窩部涙腺切除。眼瞼部涙腺切除すると、導管も傷つけて、重症のドライアイになるので、眼窩部のみ。でも、涙腺機能としては、眼窩部がメインではないのだろうか?
症例は81歳女性と62歳女性。顔面神経麻痺後のCTS(Crocodile tear syndrome)。ボトックス効果不十分だったので、眼窩部涙腺切除。シルマー低下したが軽度。CTS改善。
※涙腺には、眼窩部と眼瞼部があり、涙液分泌機能としては、眼窩部がメインで、眼瞼部がサブのよう;に記載があるが、眼瞼部の涙腺を切除すると、導管を傷つけてドライアイが重症になる可能性があるので、眼窩部のみ切除するらしい。ただ涙腺機能の大半は眼窩部が担っているので、ドライアイが悪化しそうな気もするが・・










